岡田晴恵 人類vs感染症

人類の生命を左右してきた天然痘・ペスト・ハンセン病・インフルエンザ……。その脅威に人々は恐れ慄いてきた。同時に原因を解明し、予防方法やワクチンの開発にたずさわった多くの人びとがいた。目に見えない感染症を恐れないために、正しい知識を持つために、私たちができることとは。

紀伊國屋書店感染症特集で並んでいたので読んでみた。15年ほど前の本なので古いかもと気にしたけど杞憂だった。感染症の歴史本なので、何一つ古びていない。ハンセン病にあった差別。天然痘根絶への壮絶な戦い。ペストでは、多くの医療従事者や宗教者が感染者を救うために死んでいる。その姿は新型コロナウィルス感染症が蔓延する現代と、何一つ変わらないことがわかる。人は感染症に恐れ、同時に賢明に生き延びてきた。人類が成長してきた姿を、今この本を読んで知ってほしい。

人類vs感染症 (岩波ジュニア新書)

人類vs感染症 (岩波ジュニア新書)