2006年から続けてきた今年読んでよかった本シリーズ。目標の90冊には届かないまでも、75冊強まで達成できたし、感想も1冊残すのみなので満足だわ。しかし5月ごろ、漠然とした恐怖「俺はなんで何を読んでいるんだ?」に直面してしまった。このブログの外には毎日の新聞3紙と週刊月刊季刊の雑誌、電子書籍を含む数えきれないマンガと速読処理した書籍があるのか……。ともかく、今年は子どもが1人増えました。おめでとー! 元気よく育ってください。
今年のベストはそれぞれ絶対的な存在感を心に残してくれた3冊を挙げます。これだけ明確な年は稀かも。
父からマケドニアを譲り受け、インド北部までに及ぶ東方遠征を成し遂げたアレクサンドロス。帰路の途中、32歳で亡くなってしまった彼は、英雄譚や伝説になり消化されていく。その背景を克明に書いた澤田典子『よみがえる天才4 アレクサンドロス大王』。冷静な筆運びが見事は、ちくまプリマー新書「よみがえる天才」シリーズの中でも随一。
物語ならモンゴメリ『赤毛のアン』。松本侑子の翻訳は、時代や信仰などの背景が増補されていて、現代北米が抱える問題点の源泉が見えてくる。養母となるマリラの視線が熱く、愛を含んだ言葉に涙を堪えきれなかった。
ミステリーからはシリーズ8作目、ファン待望、アサドの過去が明かされるユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q アサドの祈り』に決まり! キプロスの浜辺に打ち上げられた老女の死体と、その隣に立つ男。そして「レベル2117」を目標にした殺人予告に、チームを分断して特捜部Qが挑む。アサド! アサド! アサド! 君ってやつは! 特捜部Qと2人の凶悪犯によるコンゲーム! とにかく熱い! 大満足の節目だった……。読み終えたとき、物語と共鳴しすぎて心臓が痛かったことが忘れられない。
昨年からの課題だった小川一水『天冥の標』シリーズを3月末に読み終えたのはタイムリーというか、希望をもらったというか。続いて小野不由美『ゴーストハント』シリーズ全7巻も! とりあえず格好いいから表紙並べておきますねー。シリーズものは面白さと達成感が、エネルギーと時間につり合ってない?(そう思って読むもんではない)
おまけでマンガを紹介すると、ベストは在間りしん『怪物少女は初恋の夢を見るか?』全3巻。天才少女と凡人幼馴染がくり広げるラブコメで、派手さはないほのぼの系だけど、文化祭で迎える物語のピークを体験してほしい。小山ゆうじろう・イーピャオ『とんかつDJアゲ太郎』全11巻は連載から大好きで、ジャンプ+の再連載もずっと読んでいたけど、今回単行本で再読。仕事への哲学に共感しかなく、どん臭い姿や仲間に囲まれて成長していく様子に元気がもらえる。あとめっちゃトンカツ食べる率上がった。
まずは読んで記録していくしかないなーと思った1年でした。2021年も面白い本と出会えることを楽しみにしています。