王谷晶 ババヤガの夜

力だけで生きてきた新道依子は、暴力沙汰から腕力をその筋に買われ、会長の1人娘を紹介された。与えられた任務は学校とお稽古、家だけを往復する彼女を護衛すること。歳の変わらぬお嬢さまが何を考えているのか分からなぬまま過ごす依子だが……。

怒涛の結末に突入した瞬間、読書という快感が絶頂を迎えた。間違いなく今年のベスト。1ページ目からトップスピードで走りだす気持ちよさ。拳が顔面にめり込む快感と、骨を砕いた痺れが伝わってくるようだ。それに、かっこみ飯を美味そうに書く作者は信頼できる。短距離走のようなボリュームがいいんだけど、このテイストでもっと読みてぇ……。

ババヤガの夜

ババヤガの夜