カルトから脱会する人と家族をサポートする著者も、かつては熱心な信者だった。入会から組織を登りつめようとしたきっかけとは。脱会のためのコミュニケーション、そしてその後の喪失感まで、関わる人たちへエールを送る。
宗教専門誌が選ぶ2020年の1冊に入っていたので読んでみた。親鸞会の熱心な信者で広報を担当していた著者が赤裸々に語る、自身の経験と脱会者支援の現場。脱会によって寄りどころを失った人々が、支援者に依存する姿が生々しい。アレフ(オウム真理教の後継団体)を中心に、どうして教祖が神格化されるのか、魔境を経験した自身や小池龍之介のエピソードを交えて語る。何かを支えとする距離感、その重さを考えさせられる。