森博嗣 フォグ・ハイダ

暮れる前に峠越えを急ぐゼンの前に表れた賊。1人は金目当て、もう1人はゼン以上の剣の使い手と見てとれた。かろうじて逃れたゼンは、あの剣士に再度の手合わせを願う。

森博嗣が書く時代小説シリーズ第4弾。前半は技を磨いていくドキュメンタリーのようで、終盤は剣士の葛藤を心情豊かに書く。都に近づくほど剣筋に魅了されていくゼンの姿に、心揺さぶられた。あと1冊で、ゼンとノギの旅が終わってしまうのか……。