溝口敦 細木数子 魔女の履歴書

渋谷の小さな飲み屋で客を誘い、裏社会の男たちと勢力を伸ばした細木数子。その裏では裏切られた男たち、苦汁を飲まされた女たちが数知れずいた。辛辣なコメントで視聴率の女王と呼ばれ、占い本で大豪邸を築いた女の正体とは……。

闇の伝記とでも呼ぶべきか。裏社会ルポを得意とする溝口敦が週刊現代で連載し、巨額の損害賠償訴訟を起こされながらテレビ降板へと追い込んだ本書。多くの人を踏み台にして飲食業界・占い・メディアへと名を馳せたが、不思議と細木数子の目的が見えてこなかった。金なのか、名声や人からの愛なのか。訃報を前に読めてよかった。