小野不由美 黒祠の島

作家・葛城志保が消えた。調査依頼を受けた式部剛は、彼女が最後に向かった夜叉島にたどり着く。住人の多くが彼女を見ていないと言うが、島内の神社では女性の死体が見つかっていた……。独自の信仰が色濃く残る「黒祠の島」で起こる連続殺人事件。信仰を模した事件の真相とは。

十二国記を再読せねばと思いながら、佳多山大地のブックガイドから読んでしまった。印象としては「私が考えた最強の民族学ミステリー」で、オリジナルの強キャラたちがとにかく濃い。切れ味鋭いミステリーの爽快感より、始終ひっついてきた違和感による疲労が残る……。