廣嶋玲子 ふしぎ駄菓子屋銭天堂 5

路地の先に見えた、どうしてこんなところに駄菓子屋が……。今までに見たことのない色とりどりのお菓子が、その銭天堂には並ぶ。大柄な女性店主が優しく紹介する言葉はとても心地よくて、不思議なお菓子を買ってしまうが……。

駄菓子によって老若男女が紡がれるオムニバスで、アイテムの使いかたによって成功も失敗もするドラえもんのよう。ライバルに自販機とガチャガチャを盗まれ、偶然にも手にしてしまった登場人物たちが幸も不幸も翻弄される。オマケのような小さいアイテムだけど、シンプルなだけに効果は抜群。癖のある妬みを書いた「スピーチジュース」がよかった。