ロバート・ベイリー 黒と白のはざま

クー・クラックス・クラン誕生の地、テネシー州プラスキ。KKKによって父親が殺されたボーは、街の黒人弁護士として活躍していた。あの日から45年、首謀者と思われた町の名士が同じように殺害され、様々な状況から復讐殺人としてボーは逮捕されてしまった。元教授トムと教え子リックが立ち上がるが、名検事を相手に無罪の証明と真犯人を追求できるのか。

シリーズ1作目「ザ・プロフェッサー」が面白く、続けて読んでしまった。前作で助っ人として登場した黒人弁護士ボーをメインに、魅力的なキャラクターが再登場するのも嬉しい。町に根づく黒人差別を中心に、外部遮断された裁判所での絶対的窮地を書く。条件が重なる事件に気になる部分はありつつも、ドラマチックな展開で一気に読んでしまった。加害者も被害者も苦々しい粒を噛みしめる物語だった。