町の悲劇を解決した高校生のピップは、事件を振りかえるためにポッドキャストの配信を始めた。その反響を知った友人のコナーは、兄のジェイミーが失踪したと伝えてきた。SNSやタウン誌、ポスターを手配してジェイミーの行動履歴を追うが、時間は刻々と過ぎていく。ジェイミーの不可解な行動から、ピップが触れてしまった街の影とは……。
シリーズ1作目「自由研究には向かない殺人」から直結し、信頼できる相棒もできた高校生探偵ピップがますます活躍。初っ端から前作のネタバレで開幕するので、ぜひ読んでから手にしてほしい。前作同様、それぞれの家族模様がリアルで、学校の仲間たちがヒエラルキーを越えて触れ合っていくドラマが面白い。物語は終盤から急展開を見せるが、意外な大風呂敷になっていくので驚かされる。バリー・ライガ「さよなら、シリアルキラー」を彷彿とさせる、ピップ・サーガのこれからが楽しみ。頼むから、幸せになってくれ!