M・W・クレイヴン キュレーターの殺人

クリスマスを迎えて浮き立つ英国で、切断された人間の指が次々に発見された。各現場に残された「#BSC6」の文字列。それぞれの現場から重要参考人に近づいていくが、解決には至らずいらだちが増すばかりだった。なぜなら巨悪「キュレーター」の存在に気づいていなかったから……。

ストーンサークル』『ブラックサマー』に続くシリーズ3作目。ポーとティリー、フリンが相対する最悪の事件。閃きと捜査で事件の表情が変わっていく面白さと、シリーズを通してキャラクターへの親しみも増し、恐ろしいほどの没入感を作りだす。前作『ブラックサマー』でも大きな問題点があったが、今作も強引すぎるのでは? と思う展開に疑問はある。それでも津波のように押しよせる終盤の驚きに、結局は満足して読み終えてしまった。