高橋裕子 津田梅子 女子教育を拓く

1871年使節団の一員として渡米した津田梅子。11年の教育を経て帰国した日本には、彼女の居場所は望んだものではなかった。女性のために役立ちたいと願った彼女は、再びアメリカでの教育を受け、日本人女性の高等教育の礎を築いていく……。

渡米先の家族との書簡をくり返し、様々な女性との交流を大切にした津田梅子。言葉通り、シスターフッドと呼ぶ愛に恵まれた人生だった。当時のアメリカがヨーロッパ以上に女性の社会性を重視していた様子や、梅子が生物学を学んだ背景など、なるほどと感じさせる1冊。彼女の父が明治維新による社会情勢の変化をいち早く感じ、渡米を促したエピソードに、歴史の面白さを感じずにはいられない。やっぱり歴史には理由があるんだ。