川上浩司 不便益のススメ 新しいデザインを求めて

メモリが素数しかない定規、足を使う車椅子、通った道が消えていくナビ。不便だけど、そこに利益が生まれる「不便益」。便利が求められる中、どうして「不便益」は生まれたのかをデザイン工学の観点から紹介する。

著者の連載が面白かったので、岩波ジュニア新書で読んでみた。便利にできるけど、不便だからこそいい要素が生まれる「不便益」。その軸は関係性と多様性を復活させることだと読み取れる。人間中心設計であるエモーショナルデザインの項目で「パーソナライズ」という観点にハッとさせられた。使い込むことで「私だけのもの」という価値観を生む。だから僕は、ブックカバーを愛用し、ボールペンを手に馴染むほど使うのかと気づいた。