チョン・ミョングァン 鯨

X(Twitter時代)にて、「女三代記が好きなら」と教えてもらった韓国小説が、今年ベスト級だった。寒村から飛び出し、魚売りに拾われた少女クムボクが波乱万丈の人生を送るパートが3分の2を占める。続いて、言葉は発せないものの並外れた怪力を持つ娘チュニが最高の煉瓦を作る物語だ。韓国の戦前戦後を通した女二代記だけど、実は母娘の絆は強くない。乞食や娼婦、蜂使いから象まで、個性派キャラが運命的に交わっては離れ、また合流し、母娘の運命を左右していく。あまりにも醜いため三日で婚家を追い出された「汁飯屋の老婆」がMVPだ。最後までずーっと面白くて飽きなかった。波乱万丈、暴力あり愛あり成功も失敗もあるストーリーテリングを楽しみたい人はぜひ。運命に翻弄される母娘ものはもっと読みたい。