2008-01-12から1日間の記事一覧

谷川流 涼宮ハルヒの憂鬱

アニメ1話を見ても分からなかったので(内輪ネタだと思って5分で断念した)、『涼宮ハルヒの憂鬱』を読んでから再見すると笑える笑える。また作中では好きじゃなかった長門有希がエンディングでは可愛くてですね、続きも読んじゃおうかと。本編の安直な終え…

斉藤洋 白狐魔記 源平の風

人に化けることができると知ったキツネは、仙人のいる白駒山へ……。斉藤洋『白狐魔記 源平の風』は、児童書ながら濃厚なテーマに、歴史上の人物が物語とからまり、義経と出会ってから面白さがいっきに膨れ上がる。キツネはウサギを食うが、同じキツネを食べは…

斉藤洋 白狐魔記 蒙古の波

義経との別れから眠りについた妖狐・白狐魔丸は、彼の死と、蒙古襲来を知る……。ヒトへ化けたキツネの物語第2弾、斉藤洋『白狐魔記 蒙古の波』。長い年月が経とうとも、どうしてヒトは君主のために、私欲のためにヒトを殺すのか。人間を知りたいと思いながら…

斉藤洋 白狐魔記 洛中の火

蒙古との戦いから眠りについた妖狐・白狐魔丸は目覚め、楠正成と出会う……。ヒトへ化けたキツネの物語第3弾、斉藤洋『白狐魔記 洛中の火』。それでもヒトは憎み、争い、殺し合う。旅先で出会った理解者たちまでが、ついにヒトの感情に飲み込まれていく。そん…

谷川流 涼宮ハルヒの溜息

アニメ「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」の創作秘話になる谷川流『涼宮ハルヒの溜息』。アニメを見てからこっちを読むと凄い驚きが待っている……わけではないけど、意図的に仕組まれていたネタの数々が大変面白い(長編の構成が前作と同じなので、もしかして…

半村良 石の血脈

半村良の長編デビュー作になる、72年第3回星雲賞受賞の『石の血脈』。読んだのは99年にハルキ文庫で再刊されたものだけど、Amazonで入手できるのは角川文庫のリバイバルコレクション。06オールタイム・ベストSFでは12位にランクインしてる激エロ・サラリーマ…

バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子

『バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子』の総プレイ時間は63時間程度(寄り道しなければ40時間以内かな)。致命的なバグの多さや、終盤でフニャける物語に笑いつつも、それまでの面白さは異常なまでに盛り上がる。変更された戦闘の不安もうち消す気持…

貫井徳郎 愚行録

幼児虐待の疑いをかけられた主婦。知人たちの目を通して語られる、一家虐殺の被害者たち。兄に語りかける妹。口にすればするほど、人の器がみえてくる貫井徳郎『愚行録』。インタビュー形式で物語は進んで、貫井徳郎がもつ抜群のリーダビリティが活かされて…

半村良 黄金の血脈 天の巻

SF伝奇作家という印象でしたが、調べたら時代小説関係でも活躍していた半村良『黄金の血脈 天の巻』(『地』『人』の全3巻)。ただの牢人でしかなかった鈴波友右衛門に与えられた命は、信長の血をひく三四郎の護送。美しい野笛と会津を目指し、東西を両断す…

半村良 黄金の血脈 地の巻

牢人・鈴波友右衛門と、信長の血をひく三四郎の旅は終わりに近づこうとしているが……。半村良が書く時代小説、第2巻『黄金の血脈 地の巻』。出会ってしまったからこそ、いつか別れることになる……。そんな件が泣けて泣けて。そして物語は終わらず、構成がどん…

谷川流 涼宮ハルヒの退屈

シリーズ第3弾の谷川流『涼宮ハルヒの退屈』は、野球あり、恋あり、冒険あり、孤島での殺人ありの週刊少年マガジン的お徳感(露骨じゃないエロも)な短編集。面白いし上手いし、というのは前2作で分かったことだし、それなら他ので魅了してほしいよ、っての…

半村良 黄金の血脈 人の巻

牢人・鈴波友右衛門の旅はここに終わる……。半村良が書く時代小説、第3巻『黄金の血脈 人の巻』。小川一水の長編に感じたオナニー感というか、キャラクタが満足すればそれでよし! 的なとでもいうか……。この終わり方で読者は満足できるんでしょうか? そんな…

山下卓 RUN RUN RUN

魔女にさらわれた17歳。年下に負ける悔しさを晴らすためによったバッティングセンターで、少女を拾った24歳。女のリーチ、だけど自分探しを続ける30歳。出合った3人は、雪国へ走り出す山下卓『RUN RUN RUN』。キャラクターにどっぷり感情移入して読む僕だけ…

東野圭吾 探偵ガリレオ

不思議な事件は、科学知識で分かるんだよ。という連作短編ミステリ東野圭吾『探偵ガリレオ』。十分に読ませてくれるレベルの作品集というのは、やっぱり上手い。最後に収録されている『離脱る』だけは「おっ!」と思わせる流れで、一番きれいに魅せてくれて…

東野圭吾 予知夢

16歳の少女の部屋に忍び込んだ男は、17年前に彼女と結ばれることを知っていた東野圭吾『予知夢』。続いて第2弾の連作短編集で、オカルトっぽい事件へ、科学からアプローチをする。楽しむべきはドロドロの人間関係にあり! と分かっていながら、そのトリック…