2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧
公募実話怪談大会「怪談マンスリーコンテスト」で注目を浴びた現代怪談の聞き手、鈴木棒のデビュー作。集めた奇妙な体験談37話を収録。 自費電子出版をした「エニグマを集めて」がよかったので、デビュー作から読んでみた。廃墟マンションに残された仏壇で見…
「お捜し申し上げました」。陽子の前に現れた、ケイキと名乗る男は深く跪いた。その先にたどり着いたのは異界の浜辺。故郷へ帰るため、母に会うために陽子は人に騙され、異形の獣に襲われ、旅をして生きる。十二国記シリーズ第1作。 再読するのも20年ぶり。…
聖女伝説が伝わる里で行われた伝統的な婚礼儀式。同じ杯を飲み回した出席者から、生者と死者が交互に出る“飛び石殺人”が発生した。これは聖女による奇蹟か、それとも意図した殺人か。探偵・上苙丞による「奇蹟の実在」証明が始まる。 推理合戦が始まると思い…
「新耳袋」の著者・中山市朗が蒐集した実話怪談シリーズ第9弾。八甲田山にまつわる怪異の数々。それは土地を越え、話者にもおよぶ……。 角川ホラー文庫で唯一読んでいる実話怪談集。「山の集団」「神隠し」が山ネタだけでない奇妙な共通点があり、じわりと寒…
源氏物語は楽しい! 国文学者や日本語学者、歌人に能楽師・芸人・物理学者・翻訳家たちはなぜ挫折し、どう再起して読んだのか。 源氏物語は読んでいなくても、源氏物語概論は読めば読むほど面白くなる。書評家・渡辺祐真による恐ろしいほどざっくりしたあら…
かつてレイプや殺人をくり返した連続殺人犯「ナッシング・マン」。今は警備員として慎ましやかな生活に満足をしていた。しかし書店で販売された本を見て状況は一変する。被害者家族のなかで唯一生き残った少女が、真相を追う本を出版しのだ。 ナッシング・マ…
昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。4度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎と刑務官の物語。 戦中・戦後を舞台にした刑務所・公務員小説。食料はないわ戦争で人はいないわ、とにかく厳し…
作文を書くにはどうしたらいいのだろう。なにを書く。どう書く。芥川賞受賞作家が若いひとに伝える実践方法とは。 作文を書くには、というより「書き始めるには」を優しく教えてくれる。メモを取りながらの読書を提案しているが、私は写真で記録しているのと…