2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

井上章一 京都ぎらい

京都に生まれ、京都で育ってきた著者が書く、新・京都論。井上章一の捻くれた願望と妄想とで、京都のイメージをバカバカしく茶化した堕書。『つくられた桂離宮神話』を面白いと思ったけど、それは霞んでしまい、その思い出さえ殺してしまいたい。著者の姿勢…

黒川信重 ラマヌジャン探検 天才数学者の奇蹟をめぐる

およそ100年前、30年少しの短い生涯で終えた天才数学者ラマヌジャン。彼の生涯と、残した数式を紹介する。順列組み合わせを勉強しなおす機会があった流れで、数学の本が読みたいと思って。エッセイ的なものか、ドキュメンタリーかと思っていたら、ほとんど数…

塩田武士 罪の声

父の遺品の中から見つかった、カセットテープと黒色のノート。そこには記憶にない幼少時代の自分の声が入っていた。それは31年前に未解決のまま終わった「ギン萬事件」で犯人が使用した音声だった。一方、大手新聞社文化部の記者は、特集記事の助っ人として…

津原泰水 11 eleven

戦時中、見世物小屋で日々の金を稼ぐ、血の繋がっていない異形の家族。百年に一度生まれ、未来の事象を伝えるという「くだん」を一族に加えようとする。(「五色の舟」) 戦争に召集された領民に変わり、戦地へ行った偽りの領主の息子。帰国したが、自分は死ん…

麻見和史 石の繭 警視庁殺人分析班

新橋のビル内で、モルタルで固められた変死体が見つかった。計画的な犯行に捜査は難航するかと思われたが、犯人から捜査本部に電話が! 交渉を担当することになったのは新米刑事の如月塔子だった。癖の強い面々と共に、塔子は次の事件を止められるのか。週刊…