小川哲 君のクイズ

クイズ王者を決めるテレビ番組「Q-1」。クイズプレーヤー三島玲央は、決勝戦で本庄と並んだ。優勝を決める1問。出題者が読み上げる前に本庄が押した。まさかの0秒解答。真相解明のため、三島は過去の問題を見つめ直すが……。

第13回山田風太郎賞を受賞した「地図と拳」はかなりのボリュームながら一気に読ませる物語だった。本作はスポットライトの眩しさが強烈に記憶に残る傑作。答えを搾りだす思考文体と、主人公の人生をふり返る構成が共鳴し、とんでもない緊張感と臨場感が生まれる。奇抜な謎からしっかり地に足がついた結末まで、 2時間ほどのあっという間の読書体験だった。コミュニケーションツールやSNSを中心に進むので、新鮮さを失わない今こそ読んでほしい。年末のランキングで気になった人はぜひ。

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平山夢明ほか 瞬殺怪談 鬼幽

平山夢明や黒木あるじ、我妻俊樹など実話怪談の名手による149話を収録。

現代怪談アンソロジーの傑作シリーズ第9弾。ここから現代怪談に触れるもよし、新しい作家に出会うもよし。意図せず誰かを傷つけてしまう「いらない才能」や、さらっと書いているわりに奇妙な味が残る「草野球の女」が秀作。タイトルままのネタ「防犯ビデオ」の闇深さが圧倒的。

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瀧本哲史 武器としての決断思考

京都大学での講義「意思決定の授業」を凝縮した1冊。これから生きていくのには、自分で考えて、自分で決めて、決断力を身につけていくしかありません。迷ったときに脳内でディベートを行う思考法を教えていく。

青山ブックセンターに寄ると自己啓発書を買ってしまう。色々悩んだ結果、瀧本哲史を選んでいる。新宿紀伊國屋書店では『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』を買っていた。東京の書店には不思議な力がある。とにかく自分の頭で考えろ、ディベートの手法で自分で納得して決めろという内容で、まさにその通りでしかなかった。

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