澤村伊智 怪談小説という名の小説怪談

ホラーの名手・澤村伊智による珠玉の8編を収録。入った人は行方不明になるという噂の館に息子が通う「笛を吹く家」、閉ざされたデスゲームの結末に意外性が光る「うらみせんせい」など、バラエティに富みながらどれも高水準。なかでも一番好きなのは、再開発されたリゾートホテルで因習に巻き込まれる「こうとげい」。恐怖がじわじわと積み重なり、とにかく怖い。最後に収録された「ノンフィクション」は、新潮社版から角川ホラー文庫版への刊行経緯を題材にした一編。メタフィクションとして読み応えはあるものの、嫌味や内輪ネタが前面に出ており、僕にはあまり楽しめなかった。

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ジェフリー・ディーヴァー サプライズ・エンディングス 罠

海外では電子版のみで配信されていた短編4編を、日本限定で一冊にまとめた作品集。短編4編で1,600円という価格に、レジで早くもどんでん返しを食らった気分になったが、円安や版権事情を考えれば仕方ないのかもしれない。

リンカーン・ライム暗殺計画を阻止するため、おなじみの仲間たちが奔走する「完全犯罪計画」。敵対するマフィア同士の息子と娘が恋に落ちる、「ロミオとジュリエット」をディーヴァー流の頭脳戦に仕立てた「麗しきヴェローナ」など、いずれも短編らしい切れ味が光る。

傑作短編集『クリスマス・プレゼント』以来、ディーヴァーの短編には毎回楽しみにしているが、本書もその期待を裏切らなかった。

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池上彰 知らないと恥をかく世界の大問題17 米・中・露、三極構造の時代

毎年恒例、世界情勢を俯瞰するには格好の一冊。新聞で目にする出来事やキーワードが丁寧に整理されており、ニュースを理解するための副読本として非常に役立つ。断片的だった知識がつながり、国際情勢の全体像を復習できる。相変わらず日本への言及は少なく、「知らないと恥をかく日本の大問題」というタイトルでも、ぜひ出版してほしい。

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