逢坂冬馬 同志少女よ、敵を撃て

1942年、モスクワ近郊の村で狩りをして暮らしていた少女セラフィマは、ドイツ軍の襲撃で母を殺され、村を焼かれてしまう。辛うじて命を得た彼女は女性狙撃小隊に所属して復讐を誓う。厳しい訓練からスターリングラードの前線で見た風景とは……。

第11回アガサ・クリスティー賞大賞を受賞作。知人から本書の紹介を受け、久しぶりに冒険小説を読んでみた。過酷な運命を受け入れる修行編に始まり、地獄の中で実地経験を重ねて、明確な敵を撃つ!過去問で解いたことのある数学の問題に出会ったような感触。歴史と成長譚を公式にして展開すれば、綺麗な解が得られて驚いてしまう気持ちよさ。キャラクターもバランスが良すぎて、とても素直なエンターテイメントだと感じた次第。須賀しのぶ流血女神伝 帝国の娘』の導入を思い出したよ。

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廣嶋玲子 ふしぎ駄菓子屋銭天堂 1

路地の先に見えたお店。どうしてこんなところに駄菓子屋が……。今までに見たことのない色とりどりのお菓子。大柄な店主の女性が紹介する言葉は心地よくて……。

これ、一度しか出会えないレンタルビデオ屋を描いた藤子不二雄A「憂夢」と一緒だ……。懐かしい……と子ども以上にはまってしまった。日々の中にあるストレスと、それを解消してくれる寄り道の罪悪感。キラキラしたお菓子の誘惑と合わせて、上手いコンセプトだと思う。人気なのはわかっていたけど、98刷に圧倒されてしまった。

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佳多山大地 新本格ミステリを識るための100冊令和のためのミステリブックガイド

綾辻行人十角館の殺人』から源流とする新本格ミステリ。令和3年までの軌跡を100の名作で紹介するブックガイド。

読むのをやめていた北村薫。気になっていた井上夢人。読んでいなかったのかと問うた「競作五十円玉二十枚の謎」。本書のおかげでめちゃくちゃ文庫本を買ってしまった(いい笑顔)。僕が良いとも悪いとも思った本は、評価という観点からどう表現されるのか。真似できるものではないけど、とても勉強になった。

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