井上雅彦 編 こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

子ども向けの本格ホラー・アンソロジーが、全作書き下ろしで2冊刊行。恩田陸、黒木あるじ、我孫子武丸ら、実力派の書き手が名を連ねる。田中啓文「象の眠る山」と牧野修「爪に関するいやな話」は、追突事故に遭ったような衝撃の怖さ。大人だからこの恐怖を回避できたが、子どもの頃に読んでいたら大変なことになっていただろう。最後を飾る恩田陸「六年一組の学級日誌」は、派手さはないけれど、じわじわと心に染み込んでくるような物語が印象的だった。どの作品も子ども向けだからと手加減せず、本格的な恐怖を届ける意欲的な企画である。今後は新鋭作家も交えながら、このシリーズが長く続いてくれることを期待したい。

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那須正幹 前川かずお ズッコケ財宝調査隊

ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人組による痛快劇第9弾。太平洋戦争中の秘密作戦から始まり、モーちゃんの故郷に隠された財宝を探すことになった3人組。ズッコケ三人組でインディ・ジョーンズを描いたら傑作が生まれた一冊。3人のドタバタあり、過去に縛られた人々の涙あり、有無を言わせぬラストまで、とにかく最高だった。

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野林厚志 編 公益財団法人味の素食の文化センター 現代“間食”考 狭間からみる人類の食 食の文化フォーラム

民俗学、文化人類学、心理学など様々な分野の研究者が「間食」をテーマに論じた、2023年度〈食の文化フォーラム〉の内容を書籍化。動物の食事行動の観察から始まる構成には思わず笑ってしまうが、そこから近代の食文化、さらには老後の食事まで話が広がり、「間食」という行為の奥深さに引き込まれる。毎日当たり前のように迎える3度の食事と、その合間のひと口は、栄養補給だけではなく、安心感や人とのつながりを育んできた営みなのだと気づかされる。間食がコミュニケーションを生み、それが食卓そのものを変えてきたという視点が面白い。読み進めながら、母が晩ご飯の残りで握ってくれたおにぎりや、学生時代にペンションでアルバイトをしていた頃、バターをたっぷり塗ったトーストの味が懐かしくよみがえった。

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