康純 性別に違和感がある子どもたち 子どものこころの発達を知るシリーズ7

自分の体が男性か女性か、そして心は決まっているのか。ジェンダーアイデンティティを選択し適応してく中で、子どもたちは多くの困難に悩んでいる。疾患ではなく“性別違和”と表現したときに、周囲にいる大人たちができることとは。

いわゆるLGBTに関する人たちが約5%いることを思うと、職場の何人かはそうなのかと思い、入門書として読んでみた。性同一性障害という疾患ではなく、当事者は問題としての“性別違和”と表現している。性の多様性を受け入れることは個人としていくらでもできるけど、全体としてどう対応するかは難しい。しかし考えていると発言したり、提示したりすることも問題解決なんだと、最初の1歩を踏みだす勇気をもらえた。

折原一 倒錯のロンド 完成版

推理小説新人賞の受賞間違いなし、と手応えを感じた原稿用紙が消えてしまった。失念の原作者・山本安雄と、一攫千金を狙う盗作者・白鳥翔の駆け引きが始まる。盗作者は元原稿を消そうと計画を練り、原作者は盗作者に復讐を誓った。32年経ってからの改訂を加えた完全版。

得意の2転3転するミステリーと新聞の読書欄で取り上げられていたので読んでみた。なるほど! と唸る部分もあるけど、ラストのひとネタが追加されていても、正直なんとも言えんな。久しぶりに解説してほしい1作でした。

倒錯のロンド 完成版 (講談社文庫)

倒錯のロンド 完成版 (講談社文庫)

 

瓜生崇 なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から

カルトから脱会する人と家族をサポートする著者も、かつては熱心な信者だった。入会から熱心に登りつめようとしたきっかけとは。脱会のためのコミュニケーション、そしてその後の喪失感まで、関わる人たちへエールを送る。

宗教専門誌が選ぶ2020年の1冊に入っていたので読んでみた。親鸞会の熱心な信者で広報を担当していた著者が赤裸々に語る、自身の経験と脱会者支援の現場。脱会によって寄りどころを失った人々が、支援者に依存する姿が生々しい。アレフオウム真理教の後継団体)を中心に、どうして教祖が神格化されるのか、魔境を経験した自身や小池龍之介のエピソードを交えて語る。何かを支えとする距離感、その重さを考えさせられる。

なぜ人はカルトに惹かれるのか  脱会支援の現場から

なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から

  • 作者:瓜生 崇
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)