2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

三津田信三 凶鳥の如き忌むもの

やー、終盤はどうなることかと思いきや、よかったですよ三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』。 無人の鳥坏島で行われる秘儀”鳥人の儀”。その立会人となった幻想小説家・刀城言耶だったが、18年前を再現するように、断崖絶壁の拝殿から巫女が消えてしまう。まさ…

スマブラX日記2

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スマッシュブラザーズXは亜空終わって、対戦ステージを出す作業。ストレス発散もかねて。小リンク使いにくいなあ。 まさか本当に刊行されるとは思っていなかった>シリーズ新刊をさっき知ったので、急いで再読中。9歳児のためなら苦じゃないぜ! しばらく三津…

道尾秀介 片眼の猿 One‐eyed monkeys

私立探偵の俺は、特技を活かして有名になってきた。とある産業スパイを依頼されたが、地味に終えられるはずが、どうしてか殺人事件に巻き込まれてしまい……。 大きな仕掛けから小さなネタまで、最後まで仕込みすぎているので、読ませる作品ではあった道尾秀介…

三津田信三 厭魅の如き憑くもの

その村は、何時でもどこでもカカシ様が見ている……。土地神信仰が根強い小さな村では「黒の家」と「白の家」が対立していた。青年小説家は民間伝承の調査のため訪れるが、不可解な子どもたちの”神隠し”と”連続殺人事件”を目の当たりにする。 「ひぐらしのなく…

斉藤洋 西遊記 3,水の巻 4,仙の巻

玄奘三蔵の弟子となった孫悟空は、二番弟子の猪八戒も加わり、さらに西に向かう。しかし川を渡ろうとする時、今までにない強い妖怪があらわれ……。 乱暴者でありながらも、師匠のために悪を討とうとする姿は読んでいて清々しい。いや、ここまで面白くなってく…

スティーヴン・グールド ジャンパー

ある事件から、自分はどんな距離をも瞬時に飛べてしまう”ジャンパー”だと気づいたデイヴィッド。彼は冴えない少年だったが、アル中の親父から逃げて単身ニューヨークで暮らすことにする。そこに待っていたのは金銭トラブルと、静かな読書空間と、初めてのガ…

ザ・シンプソンズ シーズン1 ベスト

シーズン1を見返すのは本当ひさしぶり。まだまだ設定があやふやだったり、これから続いていく細かいネタが登場したり、吹き替え声優が違ったりと、原点ならではの楽しみがあった。自分なりのベスト作品をシーズンあたり3本ずつ選んでいこうと思っていたが、…

北方謙三 水滸伝〈4〉 道蛇の章

旅にでる宋江だったが、出会うのは国の悲しみ、民の悲しみ。そして強敵青蓮寺の追っ手が嗅ぎつけてくる中、南の江州入りを果たそうとするが……。そして魯智深は北の遼に入ったものの、連絡が途絶えてしまう。 僕はどうにもこうにも宋江の魅力がわかっていなか…

スマブラX日記

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スマッシュブラザーズXを少しずつ進める。DX時代、祖父が亡くなった夜から朝にかけて対戦し続けたのは不思議な思い出だ。そんな僕も社会人。1日30分程度、腕がなまらないようにプレイ中。 魔人探偵脳噛ネウロを何度か再読。 北方水滸伝、斉藤西遊記を読み中…

ザ・シンプソンズ シーズン10

うーん、20世紀FOXは今までに原題をまったく変えてしまう荒業をやっていたので(「エアロスミス登場」「リサとマッカートニーはベジタリアン」とゲスト扱いをまるでメインかのような表記をする)今回の吹き替え騒動などある程度落ち着いて見れたものの、まさ…

ザ・シンプソンズ MOVIE (劇場版)

今年1月1日。東京、六本木ヒルズまで字幕版を見にいった。劇場版の声優に関しては映画版「ザ・シンプソンズ」声優変更を考える会のBLOG(id:SERIZO)に詳しいので僕は記述しない。DVDで見れるシーズン9まで何度も通して見ているが、本当にファンが長年待たさ…

はてなシュラン - 京都亀厘

過去に書いたはてなシュランの記事を削除していたので再記述。紹介するのは、炭火焼の店『亀厘』。 http://www.kamerin.jp/ 京都で食べられる美味い炭火焼の肉は多くあれど(焼肉ね)、魚介類が食べられる店はそうない。店舗は3軒あって、炭火焼は北山、四条…

北方謙三 水滸伝〈3〉 輪舞の章

表では盗賊と官軍が熾烈な戦いをくり返し、裏では致死軍と青蓮寺が静かに戦い死んでいく。北方謙三『水滸伝〈3〉 輪舞の章』で、いよいよ青蓮寺が本格的に動きだす。その思想、行動力、そして組織をまとめる男たちの魅力は梁山泊の面々に劣らない。中国を舞…

北方謙三 水滸伝〈2〉 替天の章

梁山湖に浮かぶ天然の要塞”梁山泊”を手に入れるため、晁蓋の命によって林冲たちは侵入する。一方、武松は兄嫁へ思いを伝えよう伝えまいと心の叫びを飲み込む。北方謙三『水滸伝〈2〉 替天の章』も熱い。というより、この熱さがどんどん上っていくのか。『ONE…

マイケル・スレイド メフィストの牢獄

逃げられない拷問の果てに殺されてしまった男と、拉致された男。カナダとアメリカで発生した事件の共通点は苗字がキャンベルであることだった。巨石信仰の謎を解くため、歴史上に存在した”秘宝”を追うメフィストは、ついにカナダ騎馬警察RCMPの隊員までを誘…

マイケル・スレイド 斬首人の復讐

最後まで温存されていたアクション・シーンは迫力がありすぎるマイケル・スレイド『斬首人の復讐』。アメリカ大陸原住民と、白人との対立が臨界点に達しようとする中、雪山で見つかった首無し死体。さらに、その首をカナダ騎馬警察に送るという挑発に、ディ…

マイケル・スレイド 暗黒大陸の悪霊

マイケル・スレイド『暗黒大陸の悪霊』を再読。シリーズ中で『ヘッド・ハンター』と並んで薦めたい1作で、しかし通して読まないと面白さは伝わらない。フィニッシング・ストローク(最終行の一撃)で話題になり、どうすれば効果的にできるか? をよく表した…

マイケル・スレイド 髑髏島の惨劇

マイケル・スレイド『髑髏島の惨劇』を再読。『カットスロート』事件の悲劇から5年。故郷に帰っていたジンク・チャンドラーは、カナダ沖の孤島で開かれるミステリ作家たちのパーティーへ行くが、再び死の淵まで追いやられる! 一方、本土では『ヘッド・ハン…

マイケル・スレイド カットスロート

『グール』事件のジンク・チャンドラーと、『ヘッド・ハンター』事件のロバート・ディクラークが協力し、スペシャルXが設立するシリーズ3作目『カットスロート』。プロローグ3部作ともいえるシリーズ中での区切りになっていて(この5年後が『髑髏島の惨劇』…

マイケル・スレイド ヘッド・ハンター

4→5→2作目と読んできて、実際のデビュー作となった『ヘッド・ハンター』を読む。トリックとして一番成功したかもしれないけど、ちょっとまて。6作目の続編『斬首人の復讐』はどうなるの? 4,5作目でも……あれぇ? となる(××なトリックかもしれないけど、少な…

マイケル・スレイド グール

ロンドンを騒がす下水道殺人鬼、吸血殺人鬼、そして爆殺魔ジャック。女警視正ヒラリー・ランドは退任までの数日で犯人を見つけなければならないが……。また麻薬取引を追うカナダ騎馬警察警部補ジンク・チャンドラーはロックバンド”グール”を追い、アメリカ、…

小林めぐみ 食卓にビールを4

俺もう本読む気力さえない。それでも少しだけ読みたい……。小林めぐみ『食卓にビールを4』は、疲れている寝しなに重宝する連作短編シリーズで、つくづく感謝しております。NHK風15分アニメとSF大切りと落語が混じったような小話、かな。物産展に行く人妻女子…

夢枕獏 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 全4巻

遣唐使として長安に入った沙門・空海と、友人の書家・橘逸勢。彼らの見るものは新しく、百万人都市に魅了される。しかし帝が死ぬと予言する鬼たちが現れ、知らぬうちに巻き込まれていく空海たちであったが……。夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 全4巻』は…

夢枕獏 上弦の月を喰べる獅子

「まだ夢枕獏読んでないの?」と言われることは多々あれど、強烈な獏トリップに落ちている人に出会ったことがないと不思議に思ったのは『上弦の月を喰べる獅子』を読んだからでもあります。螺旋に魅入られた写真家と、オウム貝の幻を見た岩手の詩人、2人は出…

山本弘 アイの物語

未収録短編に書き下ろしを加えて、一つの長編にしてしまうあたり、ムムムやるな編集! それとも山本弘の腕前なのか。両方でしょう。ロボットによって人類が衰退した世界の中、一人の女性型ロボットが人に語り聞かせる『アイの物語』。どれもこれも面白いのだ…

フィリップ・リーヴ 移動都市

ボーイ・ミーツ・ガールとビルドゥングス・ロマンの魅力は圧倒的じゃないか、と教えてくれるフィリップ・リーヴ『移動都市』。60分戦争によって世界が終わってから1000年後、各都市は移動を繰り返し、弱小都市を食らう”都市淘汰主義”が成りたっていた。史学…

須賀しのぶ 流血女神伝 喪の女王 8 (全27巻)

雪山で両親と貧しいながらも幸せに暮らしていた少女。彼女のもとへ訪れた一人の男。王子の身代わりになった。奴隷から海賊へ、そして王妃へ。掘り下げられた幼年時代。日の当たらない場所で襲いかかる過去の記憶。そして、帰る場所への逃走……。須賀しのぶ『…

石崎幸二 首鳴き鬼の島

いやもう、ここまでつまらない会話文を数年読むことはないんじゃないかと石崎幸二『首鳴き鬼の島』。あまりにも形式的な、殺人、アリバイ調査、みんなの前で推理披露……その流れが意図的だとしても、この面白くなさには驚く。現代で起こった見立て殺人をどう…

加地尚武 福音の少年 虹のウロボロス

日曜日の午前で一気に読んでしまえた加地尚武『福音の少年 虹のウロボロス ― Good News Boy』がやっぱり面白い。いきなり巨大な力を手に入れ、国際紛争を阻止しようとする流れは、エヴァでいうところのやっとこさ1,2話ぐらい。中学生の痛々しさで物語が動き…

宮部みゆき 楽園

毎打席センター前ヒットぐらいを続けるってのは本当凄いことなんじゃないか? と何度も思っているのに、改めて驚かずにはいられない宮部みゆき『楽園』。いやもう怖いこわい。第3の眼を持った小学生の死、その子の過去を語りたがらない母親、火災した家から…