2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

23年度読んでよかった本

2006年から続けている「今年読んでよかった本」。ストレスがあるなら衝突すれば解決するじゃない? という恐ろしい1年でした。皆んなよくがんばったよ。2024年は少しでも落ち着いてくれれば。この1年での読書記録は85冊以上。ふり返ると印象に残った作品が多…

高野和明 踏切の幽霊

東京・下北沢の踏切で撮影された心霊写真。そこでは列車の非常停止が多発していた。雑誌記者の松田は、心霊特集のために取材に乗り出すが、近くで起こった殺人事件を知る。その被害者の身元は今でもわかっていなかった……。 ゲームクリエイターの小島秀夫がベ…

黒木あるじ ほか 投稿 瞬殺怪談

怪談の名手によって紡がれる、一瞬で読める実話怪談アンソロジー。作家8名と応募作から厳選した29名による全147話を収録。 実話怪談シリーズの中でもっとも好きな「瞬殺怪談」。書き手それぞれ魅力的で、シリーズ1の出来かも。中でも田辺青蛙の呪物ネタが強…

高瀬隼子 おいしいごはんが食べられますように

職場でうまくやっているが食に関心の薄い二谷。仕事はできないが得意な料理で関係を繋ぐ芦川。仕事も食事も落ち着いて楽しみたい押尾。食を通して書かれる職場の人間模様。 妻から借りた。結局、食事という行為は綺麗ではないなと気付かされる。純文学と呼ば…

岡倉徹志 アラブのゆくえ

いまなお世界の火種となるアラブ地域。聖地エルサレムを巡る争奪。パレスチナ・クルド人難民問題。国境線や石油を巡り未解決の難問があります。宗教・民族・国家の利益を様々な角度から光をあて、中東の平和を探ります。 著者は毎日新聞のカイロ支局長を経て…

パスカル・エングマン 黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル

男が仮釈放となった翌日、交際相手が刺殺体となって見つかった。いくつかの証拠から男が犯人だと確信するも、「その男にはアリバイがある」と訴える女性が現れる。ヴァネッサ警部はその訴えを信じるが、新たな証拠が登場する……。 ハヤカワ・ポケット・ミステ…

夢枕獏 涅槃の王 1 幻獣変化

紀元前450年。若きシッダールタは魔界ナ・オムの中心にそびえる巨木・雪冠樹を目指していた。10年に1度だけ成る「涅槃の果実」は、不老不死の秘密が隠されているという。理外の幻獣が跋扈するナ・オムへシッダールタたち一行は登れるのか……。 文庫全4巻の夢…

アンソニー・ホロヴィッツ ナイフをひねれば

探偵ホーソーンとの契約終了を告げた作家のホロヴィッツ。その翌週、ホロヴィッツが脚本を手がけた戯曲の公演が始まる。しかし初日の夜、酷評が公開され、舞台に関わった面々は意気消沈する。ところが翌朝、その劇評家が殺害された。凶器はわたしに送られた…

朝宮運河編 てのひら怪談 見てはいけない

怪談好き10名の書き手による、こわーいお話し50連発。 私が読んでから子どもが読む怪談シリーズ。今回の有名ゲストは平山夢明、田辺青蛙たち。とてもシンプルで見本のような叙述トリックが収録されていて、我が子が生まれて初めて触れる叙述トリックかもと思…

鷲羽大介 暗獄怪談 憑かれた話

結婚相手の両親から見せられた1枚の写真。幼少のころに家で見えていた誰か。ナビで誘導誘導された先に……。暗闇に残された数々の怪談を収録。 瞬殺怪談に参加する書き手から読んでみた。その人が着ている服は、夫婦で捨てたものだと思い出す「断捨離」。遅刻…

ジェフリー・ディーヴァー フルスロットル トラブル・イン・マインド 1

キャサリン・ダンスが爆弾魔と緊迫の尋問戦をくり広げる「フルスロットル」。リンカーン・ライムの捜査をことごとく逆手に取る「教科書どおりの犯罪」。メイドの雇い主を探す私立探偵などを収録した、どんでん返しの名手による第3短編集。 ジェフリー・ディ…