アンソニー・ホロヴィッツ ナイフをひねれば

探偵ホーソーンとの契約終了を告げた作家のホロヴィッツ。その翌週、ホロヴィッツが脚本を手がけた戯曲の公演が始まる。しかし初日の夜、酷評が公開され、舞台に関わった面々は意気消沈する。ところが翌朝、その劇評家が殺害された。凶器はわたしに送られた短剣。数々の証拠が重なるなか、救えるのは彼しかいない……。

早々に登場する死体。逃亡と調査のサスペンス。そして暴かれる意外な犯人。素朴すぎるという評価もあるけど、シンプルな本格ミステリーに心が満たされる。一つ一つのエピソードが真相に繋がっていく心地よさは格別である。ランキング総なめから落ちたからといって、ホロヴィッツのクオリティが下がるわけではない。次回作はもちろん読むし、1位の作家を読む機会にもなるのでなお嬉しい。