2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

22年度読んでよかった本

2006年から続けている今年読んでよかった本。本厄のためしんどいイベントもたくさんありましたが、2023年は風向きを変えたいところ。この1年での読書記録は100冊弱。その中で印象に残ったものをボリュームある作品から紹介。 水上勉「飢餓海峡」は、義実家で…

クリス・ウィタカー われら闇より天を見る

カルフォルニア州、海沿いの小さな町ケープ・ヘイヴン。30年前に起こった少女殺人事件の影響がまだまだ残っている。自称無法者の少女ダッチェスは、事件から立ち直れない母親と、まだ幼い弟のために信念をもって生きていた。そして犯人が刑期を終えて帰って…

白井智之 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件

楽園ジョーデンタウンでは病気も怪我も存在しない。カルト教団の本拠地に調査に入った助手が帰ってこないため、探偵・大塒は記者とともに飛びこんだ。助手との再会を合図のように、楽園で不審死が発生する。密室・毒殺・切断死体。正しいのは教祖の奇蹟か、…

松島駿二郎 探険と冒険の物語 世界をどう変えたのか

未知の大地を見てみたい。誰も踏み入ったことのない土地を歩きたい。誰も知らない生物に出会いたい。そんな好奇心、欲望が人を駆りたてる。進化論へと思考を進めたダーウィンやウォレス。新大陸へと進んだコロンブスやマゼラン。南極点を目指したアムンゼン…

森博嗣 新装版 ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven

クサナギがエース・パイロットとしてトップの成績を収めた結果、彼女は企業にとっての生きる広告になった。女性キルドレという話題性に利用され、鬱屈とした彼女に、都市部での実戦指令が下る。 森博嗣が書く「熱中する故に格好いい女性」が好きだったんだけ…

文藝春秋編 統一教会 何が問題なのか

安倍元総理の銃撃から再び注目を集める旧統一教会。霊感商法・合同結婚式・巨額の献金。韓国から始まり、なぜ日本でこれだけ栄えたのか。鈴木エイト氏、宮崎哲弥氏、島田裕已氏らジャーナリストが見てきた統一協会とは。 統一教会がクローズアップされてから…

月村了衛 機龍警察 完全版

人型搭乗機・機甲兵装によってテロ、民族紛争が激化。警視庁は新型機<龍機兵>を採用し、その搭乗者として3人の傭兵と契約した。警察組織で孤立する特捜部だが、都内中心部で発生したテロ事件の出動をする。大きな被害の裏には、想像を絶する組織の気配があ…

倉持浩 パンダ ネコをかぶった珍獣

シロとクロの大きな生きものパンダ。愛嬌のある顔でタケを食べ、木を登ったり寝転がったり気ままな生活に人気がある。上野動物園のパンダ専属飼育員に「なってしまって」10年。謎に包まれた生態や難しい繁殖事業、マスコミとの葛藤を交え、パンダの全貌を語…

雨穴 変な家

Webライター雨穴が知人から渡された売り物件の図面。謎の隙間、窓のない子ども部屋、奇妙な増築。間取りから、この家に隠された恐ろしい可能性が見えてきた。まさかもう1人、住人がいたのではないだろうか? 奇妙な間取りから調査が始まり、最初の味わいは怪…

小野不由美 営繕かるかや怪異譚

叔母が住んでいた町屋には箪笥で隠された奥座敷があった。襖を何度閉めても開いている(奥庭より)。武家屋敷のリフォームをしてから、同居する母は天井の足音にますます悩まされるようになった(屋根裏に誰かいるのよ)。家の困りごとを相談すれば、営繕か…

廣嶋玲子 ふしぎ駄菓子屋銭天堂 6

路地の先に見えた、どうしてこんなところに駄菓子屋が……。今までに見たことのない色とりどりのお菓子が、ここ銭天堂には並ぶ。大柄な女性店主が優しく紹介する言葉はとても心地よくて、不思議なお菓子を買ってしまう……。 駄菓子によって老若男女が紡がれるオ…