松島駿二郎 探険と冒険の物語 世界をどう変えたのか

未知の大地を見てみたい。誰も踏み入ったことのない土地を歩きたい。誰も知らない生物に出会いたい。そんな好奇心、欲望が人を駆りたてる。進化論へと思考を進めたダーウィンやウォレス。新大陸へと進んだコロンブスやマゼラン。南極点を目指したアムンゼンやスコット。彼らの冒険は、物語より惹きつける。

「孫が興味をもってくれれば」という思いで書かれた本書。めちゃくちゃ最高でした。ジョブズには禅の師匠がいたように、津田梅子は家族の理解があって渡米したように、歴史の1行には必ず理由がある。進化論が複数人によって同時期に発案されたのも、クック船長が天体観測の機材を積みこんだのも、歴史が温められたから立ちのぼる湯気なのだ。どうして読んだのかは忘れてしまったけど、面白そうだなと感じた心から、これだけのワクワクが得られる岩波ジュニア新書に感謝です。