2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
NHK短歌の選評で枡野浩一を知り、入選へのアプローチを遊んだ「改悪添削」が面白い。その著者の創作術が気になって読んでみた。自身を教祖と呼ばせ、特別な才能を見つけつつも、レベルが低いと酷評もする。お茶目さといたずら心が裏返ると、ただただ嫌悪感に…
鏡の世界に呼ばれた少年少女たち。狼面の少女から与えられた課題に答えるのではなく、居場所を求めて彼らは時間を過ごす……。子どもが映画を見ていて、ネタバレされる前に急ぎ読んだ。それぞれ訳ありの彼女たちは、なぜ集うことになったのか。弧城に呼ばれた…
ホテルのフロントで。立ち食い蕎麦屋の隣の客が。イベント会場の出口でかけたれた一言に……。気づいてしまうと、今までの日常には戻れないのかもしれない。現代実話怪談の作家たちによる49話。 被写体の本性が写真に浮かび上がる「小川さんの願い」。退職者か…
重罪で少年院を過ごした少年6人。出所後、少年Aが遺族に復讐のため殺された。そのためには密告者である少年Bがいる。2度と会うはずのない彼らは何故。関係者への取材を通して事件の全貌が二転三転するだけでなく、少年たちの仮面が剥がれていく。少年犯罪と…
ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし 平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ Twitter(現X)で話題になった著者による第一歌集。短歌との出会いから、まずは歌集を読んでみようと手にした1冊。代表作は…
流行っているホラーモキュメンタリーを書くのではなく、モキュメンタリーを作成する側を書くホラーミステリーが登場。昨年末に話題になっていたので読んでみた。映像制作会社のヒロインが、上司の義実家で撮影を開始する。しかし蔵のシーンから異音が発生し…
子どもが小学校から借りてきた1冊。万葉集から近代短歌まで100の歌を収録し簡単に解説する。山口太一の四コマはユーモアあり、心に沁みるものあり。古今和歌集の三夕、それぞれの情景バリエーションに感動した。今まで石川啄木、与謝野晶子の美しさ、味わい…
両手指9本を凍傷で失いながら七大陸最高峰単独無酸素登頂を目指した男(登山家と呼んでいいかどうか、読了しても悩むところ)栗城史多が、35歳で墜落死するまでと関係者のその後を追う。 第18回開高健ノンフィクション賞受賞作。夢を語る口が上手く、信者の…