2018-01-01から1年間の記事一覧

18年度読んでよかった本

今年はこれがよかった!という俺ベスト(06年度)(07年度)(08年度)(09年度)(10年度)(11年度)(12年度)(13年度)(14年度)(15年度)(16年度)(17年度)。 70冊ほど読んだ2018年。この歳で整理整頓などの強烈なセルフマネジメントをした結果、…

ジョン・ヴァードン 数字を一つ思い浮かべろ

ある男に届いた手紙には、数字を思い浮かべろと書かれていた。もう一つの封筒にはその数字が! 男は古い友人である退職した刑事ガーニーに助けを求めた。しかし奇妙な脅迫は続き、事は最悪の事態に。殺されてしまった友人の周辺は、途切れた雪上の足跡など不…

横山秀夫 影の季節

警察内の人事担当である、D県警警務部警務課調査官の二渡真治。任期3年の掟を破り、天下り先のポストに固執する大物OBに困っていた。彼はなぜ専属ドライバーに辺鄙まで運転をさせるのか。その目的は? 他、警察内部の視点からドラマを書いた全4編を収録。 『…

早見和真 イノセント・デイズ

元恋人の家を放火し、その妻と双子を殺した死刑囚・田中幸乃、30歳。医師、幼馴染、片思い、刑務官など様々な人物を通して、マスコミ報道とは違う彼女の素顔と真実に迫る。 様々な人物のドラマと、主人公の素顔が見え隠れするミステリーっていいよね。リーダ…

中山市朗 怪談狩り 禍々しい家

中山市朗によるシリーズ第3弾。建物にまつわる怪談の数々。「新耳袋」で話題になった「山の牧場」の後日譚6話も収録。 実は怪談は寝しなに読むと怖くなったり、テンションがガタ落ちして寝れなくなるので、昼食時か、移動中に読んでいます。kindleならパッと…

後藤謙次 10代に語る平成史

消費税導入、バブル崩壊、政権交代、テロ、巨大地震。政治ジャーナリストの著者が目撃した平成の30年間を解説する。新しい時代へ進むために、時代の節目をふり返る。 30年といっても、項目別に書かれると違う印象がありますね。政治も自民党一本勝ちかと思え…

R・D・ウィングフィールド クリスマスのフロスト

ロンドンから70マイル離れた田舎町のデントンは、いつもは静かな地域だった。しかしクリスマスを目前に、少女の失踪、銀行強盗もどきなど、様々な難題が立ち上がる。事件を対応することになったのはフロスト警部。仕事は滞り、机は何一つ片付かない。しかし…

J・D・バーカー 悪の猿

「見ざる、聞かざる、言わざる」になぞらえ被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す、連続殺人犯“四猿”。シカゴ警察の刑事ポーターも、長年追うことさえ叶わなかった。しかし事件は急変。四猿と思しき男がバスに轢かれて死んだ。自殺と思われた現場に…

壇蜜 壇蜜日記2

壇蜜の日常、2冊目。撮影、収録。天気は雨。猫と魚とコンビニの日々。 昨年Kindleのセールで購入したら「今年最高の収穫」になったシリーズ。2冊目も変わらず淡々と暮らし、人の目を気にしつつ、とても気持ちのいいリズムで書かれる生活。日々の合間に心地よ…

荒木飛呂彦 北國ばらっど 宮本深礼 吉上亮 岸辺露伴は戯れない 短編小説集

杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴が出会う奇々の数々。『幸福の箱』『シンメトリー・ルーム』『夕柳台』に、書き下ろし『楽園の落穂』を収録。 ジョジョ4部の高評価スピンオフが、短編小説としてさらにスピンオフ。Amazonの高評価にびっくり! 文章になって…

ピーター・ラヴゼイ 単独捜査

熱血が仇となり、警察を辞職した元刑事ダイヤモンド。デパートの警備員として雇われたが、閉店後に日本人の少女が隠れていたことから、失職させられる。ダイヤモンドは自閉症と思われる少女のために、親探しに乗り出すことになった。妻には呆れかえられなが…

荒木飛呂彦 維羽裕介 北國ばらっど 宮本深礼 吉上亮 岸辺露伴は叫ばない 短編小説集

杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴が出会う奇々の数々。『くしゃがら』『オカミサマ』『Blackstar.』『血栞塗』『検閲方程式』を収録。 ジョジョ4部の高評価スピンオフが、短編小説としてさらにスピンオフ。Amazonの高評価にびっくりして読んでしまった。文…

池上彰 知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先

読書欲がないときに、スルスルっと読める池上彰の2017年世界動向をまとめた1冊。素麺みたいな本だな。今までKindleで読んでいたけど、回し読みできるよう紙に戻した。名敵役のごとく登場したトランプ大統領が熱い。 知らないと恥をかく世界の大問題8 自国フ…

平山夢明、他 瞬殺怪談 刺

1分以内で読める実話怪談157話。我妻俊樹、伊計翼、小田イ輔、神薫、川奈まり子、黒木あるじ、黒史郎、鈴木呂亜、つくね乱蔵、丸山政也、真白圭、平山夢明が競作。 百物語系が好きで読んでいますが、本書はとてもシンプルで、だからこそ切れ味よく見える。巧…

平山夢明 ダイナー

金銭トラブルから、プロの殺し屋が集まる会員制ダイナーで働くことになったオオバカナコ。ウェイトレスをヒトとも思わない客の面々。接客を1つ間違えれば死ぬ中で、彼女は脱出を諦めていなかった……。 NHKで小説の料理を再現するドラマがあって、読みたかった…

早坂吝 誰も僕を裁けない

「援交探偵」上木らいち第3弾! 名門企業の社長から、メイドとして雇われた彼女だったが、そこは奇妙な館だった。またもや殺人事件が発生! 一方、資産家令嬢と出会った戸田公平は、一晩の出来事で逮捕されてしまう。絶対的な法の前に、彼は無罪を主張できる…

池上俊一 パスタでたどるイタリア史

イタリアの代表的な国民食の1つ、パスタ。パスタは母の味であり、イタリアの豊かな地域色を反映する。しかしその歴史は、イタリアの苦悩を反映した。古代ローマのパスタの原型に始まり、侵略と統一、大航海時代がもたらしたトマトなど、様々な表情を見せる。…

M・ヨート H・ローセンフェルト 犯罪心理捜査官セバスチャン

帰宅しない少年は、心臓をえぐり取られて発見された。猟奇的な事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班へ救援要請が出された。4人のプロチームに加わったのは、自信過剰で協調性ゼロのプロファイラー、セバスチャンだった。早々に片づくと思った事件は、意外な…

アイザック・アシモフ 黒後家蜘蛛の会1 【新版】

弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の専門家6名が、ゲスト1名を迎えて行う月1回の晩餐会。その会ではゲストの悩みが打ち明けられるが、会員たちが推理を披露する。しかし毎回真相を言い当てるのは、給仕のヘンリーだった! 推理合戦の末、裏方…

森史之助 労役でムショに行ってきた!

元新聞記者が飲酒運転のため逮捕。25万円の罰金を断り「それなら労役を務めて、観察してやろう」と踏み倒しが始まった。川越少年刑務所で過ごした50日間。 誰もが興味があって面白いジャンルなんだけど、それだけ。 労役でムショに行ってきた!作者: 森史之…

宮内悠介 彼女がエスパーだったころ

百匹目の猿、スプーン曲げ、水への伝言、終末医療……。疑似科学を追うわたしが見ているものはオカルトなのか、真実なのか。 オカルトを追うフリーライターが遭遇する奇々の連作短編集。新聞の書評欄、Twitterで宮内悠介が常々話題になるので読んでみた。みん…

泰丘良玄 理工学部のお坊さんが教えてくれた、こころが晴れる禅ことば

日々是好日、喫茶去、天上天下唯我独尊など、どこかで聞いた見たことのある禅語の数々。理工学部出身の若手僧侶が優しく説く。 街角や、お店にかけてあるお軸が好きで読んだり見たりするんだけど、禅語も多いので参考書代わりに読んでみた。それぞれの言葉の…

白河三兎 ふたえ

学級ヒエラルキーの底にいるノロ子・ジミー・劣化版・美白・タロットオタク。それぞれ孤独な彼らに、誰にも従わない手代木麗華が加わった「ぼっち班」。手代木のワガママに振り回される修学旅行の1日が始まる。それぞれの視点が1つになる時、切ない真実を共…

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

短期移民である外国人観光客を利用し、日本の収入源を確保する! 観光資源をどのように整えていけば、日本は世界に誇れる観光立国になれるのか。2020年、東京オリンピックを審判の日として、それまでにするべきこととは。 観光地出張だったので読んでいたら…

アンデシュ・ルースルンド ベリエ・ヘルストレム 死刑囚

暴力沙汰で逮捕されたカナダ国籍の男は、6年前に死んだはずの死刑囚? グレーンス警部率いるチームは、ただの傷害事件への調査から、各国の政治が絡む大問題に関わっていく……。 えっ! そこまで嫌な味で終わらせちゃうの? シリーズ第3弾。こんな北欧ミステ…

水野俊平 台湾の若者を知りたい

震災での義援金や、来日観光客の増加など、親日国で知られる台湾。観光のことは知っていても、台湾の若者はどんな生活をしているのか、意外と知られていない。学校生活から兵役、就活まで、彼らの日常生活を追う。 まさにメイン読者層である中高生向き! で…

加藤徹 漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?

文字がまだなかった邪馬台国から、大陸文化を吸収した奈良時代へ。漢字の力に左右されながら時代を経て、近代化の中で継承できなくなってしまったものとは。漢字・漢文で見る日本史。 漢字・漢文を手にしたことで、世界中の人とコミュニケーションが取れ、ど…

TBSテレビ『NEWS23』取材班 綾瀬はるか 「戦争」を聞く

被爆地である広島出身の女優、綾瀬はるか。偶然にも生きながらえた被爆者、戦死した恋人を待つ女性など、様々な戦争被害者にインタビューをする。 綾瀬はるかが映画の記者会見で「夢は世界平和」と答えて炎上したので、それならどんな本かと思い読んでみた。…

小川哲 ゲームの王国

自身をポル・ポトの隠し子とも知らず、逃亡生活を続ける少女ソリヤ。貧村ロベーブレソに生まれ、神童と気づかれずに育った少年ムイタック。1974年カンボジア、革命が起こる夜に2人は出会う。その時、カンボジアの未来を変えるゲームが始まった。 本書が山本…

若竹七海 悪いうさぎ

家出をした女子高生ミチルを戻すため、依頼を受けた女探偵・葉村晶。腹を刺され、足を痛めてなんとか応えたものの、次はミチルの友人が消えた。やがて見えてくる女子高生たちの危うい生活と、見せかけの家族関係。葉村は調査を続けるが……。 ヒトの苦い部分を…