2013-01-01から1年間の記事一覧

綾辻行人 時計館の殺人

読書会用に再読。『十角館の殺人』から『時計館の殺人』まで、5冊をゆっくりと読み通したので記録用。お疲れ様でした。(上) (講談社文庫)" title="時計館の殺人(上) (講談社文庫)">時計館の殺人(上) (講談社文庫)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売…

野崎まど know

ほとんどの人々が義務化によってを移植し、超情報社会で生きる2081年日本・京都。情報庁官僚の御野・連レルは、かつての恩師でもあり、失踪した研究者であり、情報素子を開発した道終・常イチのコードの中に、隠されていた暗号を発見するる。その先にいたの…

ベン・H・ウィンタース 地上最後の刑事

小惑星の衝突まであと半年。汚れきったファストフードのトイレ、荒れていく町、途絶える物資、また悲嘆に暮れた冴えない男が自殺したと誰もが思った。しかし新人刑事パレスは、首を吊った高級品のベルトに違和感をおぼえ、他殺を疑う。誰もが熱意を失う中、…

東海林智 貧困の現場

戦後の貧しさから、現代の貧困と格差社会の実態へ。新聞記者が追いかけた、若本たち、路上生活者たち。 えらい安いなとKindleのセールで購入したノンフィクション。派遣、日雇いがどんな生活をしているか、新聞記者が赤裸々に書く。一度ハマりこんだら抜け出…

ジョージ・R・R・マーティン 竜との舞踏 3 ― 氷と炎の歌

中世イギリスをモチーフにした、夏と冬が不定期に変動する”七王国”が舞台。ドラゴンや魔法といったファンタジーが終焉し、過去の遺物となった世界で、王家を巡る戦乱が始まる。 第1部『七王国の玉座』改訂版(感想)、第2部『王狼たちの戦旗』改訂版(感想)…

鈴木寛 テレビが政治をダメにした

民主党政権で文部科学副大臣を務めていた著者。どうしてマスコミと政治家が今のような関係になっていったのかを戦後史の流れと共に分かりやすく解説。また民主党政権がどうダメだったかも書いていて、なるほどと。情報と人間の狭間を調整するのは難しいもん…

森博嗣 キウイγは時計仕掛け

建築学会のために山中の大学に訪れた加部谷恵美たち。そこに西之園萌絵、国枝桃子、犀川創平の面々が集まる。しかし舞台となる大学には、奇妙な宅配便が届いていた。まるで手榴弾を模したキウイが1つ。そこにはまたギリシャ文字γの字が……。 懐かしの面々が集…

浦賀和宏 彼女のため生まれた

高校時代の同級生に、銀次郎の母親が殺された。彼は犯行後に逃走、母校の校舎から自殺した。なんと遺書には銀次郎の過去を糾弾する内容が書かれていた。覚えのない銀次郎はライターとして捜査する中で、母親たちの奇妙な設定に気づいていく……。 『彼女の血が…

ジェフリー・ディーヴァー ポーカー・レッスン

どんでん返し16連発。名短編集『クリスマス・プレゼント』(感想)に続くジェフリー・ディーヴァーの短編集第2弾。 物語はひっくり返るし、これを長編に仕立てる技量を思うと、改めて凄い作家なんだな。似通った作品が多く、前のほうがバリエーション豊かだ…

綾辻行人 水車館の殺人

読書会用に再読。 (講談社文庫)" title="水車館の殺人 (講談社文庫)">水車館の殺人 (講談社文庫)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/04/15メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 15回この商品を含むブログ (35件) を見る

綾辻行人 迷路館の殺人

読書会用に再読。 (講談社文庫)" title="迷路館の殺人 (講談社文庫)">迷路館の殺人 (講談社文庫)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/11/13メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 28回この商品を含むブログ (19件) を見る

綾辻行人 人形館の殺人

読書会用に再読。 (講談社文庫)" title="人形館の殺人 (講談社文庫)">人形館の殺人 (講談社文庫)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/08/12メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 6回この商品を含むブログ (12件) を見る

ジョージ・R・R・マーティン 竜との舞踏 2― 氷と炎の歌

中世イギリスをモチーフにした、夏と冬が不定期に変動する”七王国”が舞台。ドラゴンや魔法といったファンタジーが終焉し、過去の遺物となった世界で、王家を巡る戦乱が始まる。 第1部『七王国の玉座』改訂版(感想)、第2部『王狼たちの戦旗』改訂版(感想)…

[図解]池上彰の経済のニュースが面白いほどわかる本

Kindleセールで安くなっていたので、池上彰の本というのはどんなものだろうと思って。ニュースを見るための分かりやすい基礎の基礎を解説した、経済用語の教科書。こういう社会の感じ方を習ってこなかったので、少しずつ勉強していければと思う。どうして社…

「新潮45」編集部編 凶悪 ある死刑囚の告発

元ヤクザの死刑囚が雑誌記者にこぼした。金のために人を殺し、まるで消えたかのように処理をしてしまう「先生」と呼ぶ人物がまだ娑婆にいる……。半信半疑の記者が関係者を訪ねる中で確信する。この告発は本当だった。 映画化もされたが、実に淡々と物語は進行…

ジャック・カーリイ イン・ザ・ブラッド

ブラザーとも呼びたくなる相棒ベテラン黒人刑事ハリーと、米南部で特殊犯罪の警察官を務める僕ことカーソン。本当のブラザーは猟奇殺人犯。釣りをしていた2人が見つけた小舟には赤ん坊が乗っていた。何故か赤子に惹かれるハリーを訝しむ僕だったが、事件現場…

冲方丁 マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust ─ 排気 〔完全版〕

飼主に殺されかけた少女娼婦バロットと、彼女を救った小難しいネズミのウフコック。事件を終わらせるために、相棒は次の進化へ……。 『The 1st Compression ─ 圧縮』(感想)、『The 2nd Combustion ─ 燃焼』(感想)に続く完結編の3巻。リライトに価値を見出…

冲方丁 マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion ─ 燃焼 〔完全版〕

『マルドゥック・スクランブル The 1st Compression ─ 圧縮 〔完全版〕』(感想)に続く2巻。10年前に堪能したあのカジノ・シーンが、完全版になって伝説の域に。少女が成長する姿はこんなに凄いのかと、こんなにも凄かったのかと。久しぶりに味わった止まら…

梓崎優 リバーサイド・チルドレン

カンボジアの川沿いに住まう少年たち。ゴミを拾い分別しては日々の収入を得るだけの彼らを、連続殺人犯が静かに襲いかかる。街、スラムからも見放された子どもたちを狙う犯人の理由とは……。 異国情緒溢れる文体と、トリックが叩きつける鋭さでデビューから話…

ジョージ・R・R・マーティン 竜との舞踏 1― 氷と炎の歌

第1部『七王国の玉座』改訂版(感想)、第2部『王狼たちの戦旗』改訂版(感想)、第3部『剣嵐の大地』改訂版(感想)、第4部『乱鴉の饗宴』(感想)。そして大陸を混乱に陥れた椅子取りゲームの音楽は止まる……。誰が座るのか、北の凍える少年か、遥か東の地…

ジョナサン・ホルト カルニヴィア 1 禁忌

イタリア、ヴェネチアに流れ着いた女性の死体は、カトリックの司祭の祭服を着ていた。憲兵隊大尉カテリーナは許されない格好をさせられた女の身元を追う。一方、米軍基地に赴任した少尉ホリーは、ユーゴ内戦時の記録を探る中で、奇妙な事件に巻き込まれてい…

堤未果 (株)貧困大国アメリカ

『ルポ 貧困大国アメリカ』(感想)、『ルポ 貧困大国アメリカ II』(感想)を締め括る3部作最終章。貧困層をビジネスにする全米の1%。彼らが作り上げる政治、生活、すべてが企業体となった未来の果てにあるものは……。 世界を食いものにしていく大企業複合体…

冲方丁 マルドゥック・スクランブル The 1st Compression ─ 圧縮 〔完全版〕

賭博師シェルに可愛がられていた少女娼婦バロットは、無残にも爆炎で殺されようとしていた。確実に死に向かっていた少女を救ったのはスクランブル09法。法的に禁止された科学技術の特別使用許可だった。1人の科学者と1匹のネズミによって、2度目の命を吹き込…

レナード・ローゼン 捜査官ポアンカレ 叫びのカオス

インターポール捜査官アンリ・ポアンカレは、アムステルダムで起こった数学者爆殺事件から、曽祖父である数学者ポアンカレとの因縁を感じていた。事件の調査に乗り出そうとするポアンカレだが、テロリストによる家族抹殺計画を知る……。 アメリカ、ヨーロッパ…

デイヴィッド・ハンドラー 真夜中のミュージシャン

元売れっ子作家のホーギーと、誰もが知っている売れっ子女優で元妻のメリリー。二人の仲をギリギリでつなぎ止めているバセットハウンドのルル。ロンドンでの目的は、ロックンロールで神と呼ばれたUsのシンガー・トリスの自伝を書くためだが、彼の周りには暗…

堤未果 ルポ 貧困大国アメリカ

アメリカで増加が止まらない貧困層。さらには貧困層から最貧困層へ。そして潤う一部の富裕層たちのマネー・ゲーム。人々の生活も、911以降の戦争させも彼らのゲームでしかないのか。それに抵抗しようとする人々を書いた報道作品。 新刊『(株)貧困大国アメリ…

日本SF作家クラブ編 日本SF短篇50 3

日本SF作家クラブ50周年を記念し、1年1作50作家で構成する究極のアンソロジーの第3弾。1983〜92年を収録。 正直期待していなかったといえば失礼だけど、ここまで楽しめるとは思っていなかった。歩き続ける冒険小説の中井紀夫「見果てぬ風」や、楽しみにして…

桜庭一樹 GOSICK ゴシック1

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュールに留学した久城一弥は、図書館塔で住まう不思議な少女ヴィクトリカと出会った。癖強くも頭脳明晰な彼女は、ある占い師殺人を解いたことから豪華客船に招待される。しかしその船には罠と過去が仕組まれていた。 後輩が…

ウィリアム・ランディ ジェイコブを守るため

近所の公園で息子ジェイコブの同級生がナイフで刺され死亡した。地区検事補アンディは前科のある同性愛者に捜査をむけるが……。ジェイコブの逮捕でアンディの人生は一転する。小さな家族、血筋と過去。希望を抱きながら疲弊していく家族に光は射すのか? 濃厚…

野崎昭弘 πの話

夏休み向けに色々な小説が積まれている中で見つけた、優しく丁寧な中高生向けの学術書。歴史上、どのようにして円周率πが求められ、他にどのような問いを生みだしてきたのか。長さとは、面積とは、を簡潔に解説した良書だった。こういった本を落ち着いて読め…