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重大犯罪分析課の捜査員ポーと、天才分析官ブラッドショーのコンビが冴えるシリーズ第6弾。カルト教団の指導者の死体には、ブラッドショーにも解けない暗号が刻まれていた……。閉ざされた宗教団体の調査に困難を極めながら、リーダビリティー高い筋書きは変わ…
部位必殺を目的とした琉球武術「唐手」。秘伝「御内式」との戦いが始まる。驚異的な面白さもあっという間に最終巻へ。戦い、戦い、戦い続けてたどり着いた境地。「地の巻」なく完結となったのは残念だけど、マンガ以上に面白い小説を読ませてくれたことにた…
ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人組による痛快劇第4弾。ハチベエの親戚宅から無人島キャンプに行くはずが、ボートが漂流して本当の無人島へ。数日生きるだけでもたくましい。ほんのりと社会性を匂わせ、強引な展開にハラハラドキドキ。そして笑いと、ホロ…
「警視庁武術試合」を舞台に、新興勢力対古流の争いが始まる。そして闇討ちを仕掛ける「梟」が登場。マンガ以上にマンガらしく、文字の迫力に圧倒される。著者自身「こんなに面白い話しを書けて幸せ」と書くが、読めた私こそ幸せだと感謝を伝えたい。 東天の…
柔術王国の九州。新興講道館を含む関東勢。北の秘伝「御式内」。畳の上の戦いも面白いが、道中での野良試合が面白すぎる。夢枕獏には長編格闘小説ではなく、単発エピソードを集めた格闘超短編集をお願いしたい。 東天の獅子 第二巻 天の巻・嘉納流柔術 東天…
柔術から柔道へ。講道館を立ち上げた文武両道の嘉納治五郎の元へ、情熱をもった若手が集まってきた。柔道誕生物語が始まる。と思いきや、序章の主人公はブラジルにたどり着いた木村雅彦で、オードブルから豪華すぎる。続いてのスープは、圧倒的なセンスを見…
軍事境界線を越えて北朝鮮に出勤。平日は北の職員と働き、週末は韓国へ帰る。開城(ケソン)工業団地で働き、閉鎖されるまでの1年間の記録。家庭的な韓国料理が恋しくなる。美味しいキムチが食べたい……。読書という行為は「いろんな人がいて、それぞれにそうで…
ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人組による痛快劇第3弾。スキー場で出会った美人が転校してきた! でも彼女は追われていた……? モーちゃんの恋心を巡り、子どもと大人の境目を渡り歩く3人組。戸惑いながらも成長する彼らを応援せずにはいられなかった。 ズ…
高校生・久遠空々梨(くどう・くくり)の下校途中、巨大隕石が直撃して全人類は一瞬にして滅亡した! でも目覚めると三日前。従姉妹の非数値无香(ひすうち・ぬるか)の説明では、星間諜報組織〈偵察局〉のエージェント? 迫り来る隕石! 命を狙う異星人暗殺…
岩波ジュニア新書刊行1000点目。社会学者・冒険家・研究者など、世に問いかける人たちが送るブックガイド。問いかけるとはエネルギーのいる活動で、人はエネルギーを得るために本を読むのではないだろうか。 生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊 (…
時代と組織に翻弄される女性2人という切り口で、「ババヤガの夜」評と一緒に紹介されていたので読んでみた。衝動的に退職を決めた二人の女性が、バーで知り合った男と宿に入ったまではいいけど、翌朝には密室下で絞殺されていた……。そこから衝撃の展開を交え…
岩波ジュニア新書1000点刊行、記念出版の1冊。各界著名人から図書館司書による推薦文を収録。岩波ジュニア新書はジャンルを超えて興味をもてるチャンスをくれる。読み始めて10年ほどになるが、50冊以上が本棚に並んでいる。私のベスト3は沢寿郎「鎌倉史跡見…
力だけで生きてきた新道依子は、暴力沙汰からその筋に買われ、会長の1人娘を護衛することになった。学校とお稽古、家だけを往復する、歳の変わらぬお嬢さまが何を考えているのか。分からなぬまま過ごす依子だが……。 再読につき、過去の感想を再掲。怒涛の結…
今まで遊んでいた校庭のすみに亀の銅像が見つかった。この銅像、前に進んでる! 誰が? どうして? どうやって? 事件解決に動きだしたのは、4年1組の辻堂天馬・柚木陸・神山美鈴、通称「ミステリトリオ」。全ての条件がそろったとき「ぼくは読者に挑戦する…
デパ地下で並んでいる行列に。使い古しのエコバッグの中に。子どもが書いた宿題の一文に……。気づいてしまうと、今までの日常には戻れないのかもしれない。 祠にお供えあれている「餅のようなモノ」。祖父が体験した友だちが山から降りてこない「巻き戻し」。…
ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人組による痛快劇第2弾。クラスメイトの誘拐未遂とか、日常系の謎かと思いきや、本当の殺人事件を目撃してしまい、死の手前までピンチになるハードな内容。館・密室・アリバイと本格ミステリーのバランスが絶妙。 ぼくらはズ…
任命されてからネガティブになりながらも、娘の一言で「日本一かっこいいトイレ清掃員」を目指す著者の回想録。「公衆トイレは汚していいと思って利用していないか?」との問いかけに、読後はトイレの利用方法が変わる。清掃後に寝転べる場所にする! という…
葉真中顕が書く時代に翻弄される主人公たちが好きです。ミステリーとして着地する上手さも楽しみの1つ。本作はブラジルへ移民として渡った少年と、現地2世との少年が出会い、成長と心の差異を書く。全編通して長さは感じたものの、「日本は戦争に買ったのか…
ジョジョの奇妙な冒険5部のボス親衛隊・暗殺チームを主人公にしたスピンオフノベライズ。あのソルベとジェラートにエピソードが! 反抗期を迎えたベイビィ・フェイス! 法廷劇やペット話しなど多面的な彼らの活躍を書く。暗殺チームトップであり、“ボスへの…
映画のリバイバル上映が社内で話題になっていたので、読んでから映画館まで行った。東京から転校してきた武藤里伽子により、高知の高校生たちの揺れる日常を書く。正直、主人公の杜崎拓もヒロインも理解できなかった。唯一、武藤父の心境に痛いほど共感して…
「超」怖い話が始まって20年超。小石を積むように集められた実話怪談。積み上げたものが見せる姿とは。不運な友人がバカヅキに見舞われる「不運な奴」。神ではない「カミを見る」祖母の末路。いたずら心が不幸を呼ぶ「祖父の万年筆」。マンガのような夢現が…
図書館の隅に置かれたノートには、1日1題だけ、同級生から謎が届く。全部で40問。怖い話しをテーマにした問題を解いた先には……。小学生向けの難易度ではあるけど、言葉遊びから生まれる問題レベルに感心するばかり。小学生の子どもと少しずつ解いていくと、…
乙一が別名義で書いた“ひとり”短編コレクション。本名である安達寛高名義で推薦文を書く。中田永一名義の「宗像くんと万年筆事件」「メアリー・スーを殺して」は恋と青春、サスペンスを少しの混ぜて絶妙に面白い。中田永一を産んだのは、乙一最大の功績でし…
御粽司・川端道喜の15代当主が語る、お菓子の歴史と京都の文化史。川端道喜の名は度々聞くが、和菓子好きの私にとっても伝説のような存在だった。限られた作り手で昔ながらの方法を守っているため、製造量がそもそも少ない。どこかで食べてはいるんだろうけ…
子ども向けの本格的なホラー・アンソロジーが全作書き下ろしで2冊刊行。芦沢央・井上雅彦・宇佐美まこと・太田忠司・黒史郎・斜線堂有紀など、界隈の書き手を収録。小人のために用意した水を飲んではいけない、加門七海「青いコップ」。たった1つのさりげな…
佐保を囲む面々の思惑と真秀への思いがが交差する5巻。目的と階層が重なりすぎて、中心を担うキャラは感情で動くので、なにがなにやら。極端に忙しくなる7月、コンディション悪いまま読んだのがよくなかった。 銀の海 金の大地 5 (集英社オレンジ文庫) 作者…
ポケットモンスターの生みの親である、ゲーム会社「ゲームフリーク」を追ったドキュメンタリであり、クリエイター田尻智の回顧録でもある。初代ポケモンからいくつかシリーズには触れたけど、熱中している人ほどにはなれなかった。通信ケーブルで交換すると…
ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人組による物語がスタート。小学生時代もまったく読んでこなかったのに、子どもが読み始めたので借りてみた。バタバタハラハラワクワクに溢れた日常の延長にある物語だ。公開番組に挑戦する「ゆめのゴールデンクイズ」がモー…
池上彰が解説する世界情勢総まとめ。新聞を読むための副読本として大変優秀な1冊で、キーワードと情勢が復習できる。日本版のボリュームがかなり少ないので、国際版と分けて出版してほしい。 知らないと恥をかく世界の大問題16 トランプの“首領モンロー主…
佐保を囲む面々の思惑が交差する4巻。20年前、心打たれたシーンに再会。現実と夢見と超能力とが混然となるシーンは、今も変わらず強烈なビームを放ち打ち抜かれる。物語の卵かけご飯を食べているようだ。いつもの卵と醤油、熱々ご飯が揃って成しえる一品であ…