2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

石原千秋 国語教科書の思想

石原千秋『国語教科書の思想』を読む。「読書力が低下していく理由、というか単純な原因」「どうして動物が擬人化された話が多いのか」「何を目的として国語なのか」がメインでしょうか。読んでみれば、そりゃそうだ、な簡単な驚きなんですけど、これからど…

水坂早希 姫隷調教師

19歳の女姫隷調教師リセーラのもとへとやってきた、16歳には見えぬ小柄なテルテ。少女は貴族専属の娼婦になろうとするが、面前での自慰告白に始まり − 水坂早希『姫隷調教師』。いやー、これはキツい。序盤の少女が体を清めるために浣腸され調教され云々は読…

山下卓 果南の地

山下卓『BLOOD LINK』の前日譚となる『果南の地』(イラスト:米村孝一郎)<暁鐘編><業果編>。マーケットプレイスの値段が異常で、どんなに今の作品が好きでも、それだけの価値があるとは思えない出来だというのが正直なところ。でも凄く熱かった。物語…

山下卓 BLOODLINK ― 獣と神と人

11月末にシリーズ新刊が出る(かもしれない)ということで山下卓『BLOODLINK ― 獣と神と人』から始まる一連を読む。忘れている伏線と、キャラクタの位置確認だけで終わろうと思っていたんだけど、こんなにも盛り上がるとは。ヒロインは9歳! 銀髪! ランドセ…

わかつきひかる 恋姉妹 ― どっちにするの!?

妹には出来ないことをしてあげる! − わかつきひかる『恋姉妹 ― どっちにするの!?』。イラストは神無月ねむで、カラーで姉が一枚、白黒で八枚(見開き含む)。ツンデレ巨乳な幼馴染はM属性。その妹は貧乳だけど(だから?)お姉ちゃんに負けたくないから…

北都凛 桜 〜マリア様の放課後

初っ端から道具にされている生徒会長、それを助けようとする剣道部エースのヒロイン、そして彼女に甘える後輩は餌にされ − 北都凛『桜 〜マリア様の放課後』。お約束の、中盤で浣腸と面前排泄。礼拝堂ではマリア様の前で男女入り乱れての悲惨な宴。それで締…

神林長平 鏡像の敵

帯の「神林長平ルーチンを実行せよ!」に納得。何度読もうとしても、必ず序盤で投げてしまう作家の一人が神林長平だったわけですが、どうにか短編集の『鏡像の敵』を読み通す。やっぱり分からん! 楽々クリアできる「痩せても狼」、頑張って読み通した「ここ…

とみなが貴和 EDGE〈2〉 ― 三月の誘拐者

死に魅了された男と、人形を探す少女。その二人の行動は、誘拐と呼ばれた − とみなが貴和『EDGE〈2〉 ― 三月の誘拐者』。プロファイリングものを東京でやるとすれば……、といった中で一番素晴らしい解答だと思います。雨の降る中、猟奇殺人者を追う作品なら誰…

とみなが貴和 EDGE〈3〉 ― 毒の夏

四件の異物混入事件。青酸ガス事件。もし二つの事件が同一犯だとすれば − とみなが貴和『EDGE〈3〉 ― 毒の夏』。こんなに面白くなるとは……。犯人をプロファイリングすることによって、自分の過去に潜んでいる内面を抉られる主人公の苦痛。そして最後に現れる…

さかき傘 メディカルシスターズ

「この愛と健康のハートフルナース・ユラと」「悪人専用生き方矯正ドクター・マユが」『あなたのはぁと、手術しちゃいます!』 − さかき傘『メディカルシスターズ』。黒い気持ちは倒すことで浄化できるけど、メディシス(;´Д`)ハァハァな大きなお兄ちゃんた…

東野圭吾 容疑者Xの献身

二泊で5880円。なら一泊は2800円。そして男の死体をどうするか − 東野圭吾『容疑者Xの献身』。高いの何ので、今年に発売されたミステリをそれほど読んでいるわけではないけど、確かにこれは話題になるだけの素晴らしい作品。実に不思議なトリックで、珍しく…

わかつきひかる 歌劇団プリンセス ― ふたりは一緒!

わかつきひかる既刊コンプまで残り二冊! というわけで『歌劇団プリンセス ― ふたりは一緒!』を読む。箇条書きにしてしまうと、サクラ大戦+マリみて+プリキュアになります。男役だと思っていた自分が姫に選ばれ、友人との仲は駄目になって、それに男っぽ…

わかつきひかる 大好き 〜わたしのお兄ちゃん〜

わかつきひかる既刊コンプまで残り一冊! っしゃーこいッ! 『大好き 〜わたしのお兄ちゃん〜』。入手し難いといったこともありますが、実はデビュー作である『いもうと。 ― SWEET & BITTER』の続編です。気になったのは、デビュー以降、わかつき作品の男性…

桜庭一樹 GOSICKs 春来たる死神

一弥とヴィクトリカが出会い、そして…… − 桜庭一樹『GOSICKs 春来たる死神』。しかしヴィクトリカ・アブリル・セシル先生の黄金比がジュブナイルポルノとしては完璧だな! と思ってしまうのは、キャラ小説として凄くいいという裏返しなのかもしれない。とま…

クロノ・トリガー

目に見えない何かに行き詰ってSFCで『クロノ・トリガー』を再プレイ。分かっている結末を変えるために集まった仲間たちは、「今」の自分を変えたい、変えられない……といったテーマ性に何度プレイしても引き込まれます。しかし、発明家のルッカはそんな素振り…

桜坂洋 10月はSPAMで満ちている

『小説新潮 10月号』に掲載された桜坂洋の短編「10月はSPAMで満ちている」。『よくわかる現代魔法』のキャラが社会人になってしまうほど年月が経ったときの話。とりあえず坂崎嘉穂が好きなので嬉しい。小説新潮用にSFではなく短編ミステリになっているし、文…

古橋秀之 ある日、爆弾がおちてきて

星新一のショート・ショートを古橋秀之が書き直したらこんなような『ある日、爆弾がおちてきて』を読んだけど、これ凄いよね。好きだった子に似ている最新型の爆弾少女が落ちてくる表題作、図書館の神様はBLを好んで読む「トトカミじゃ」他、派手さはない…

業田良家 自虐の詩

東京の方から借りていた、業田良家『自虐の詩』。酒を飲んではちゃぶ台をひっくり返す旦那と、それでも愛し続けることしかできない不幸な女、幸江。ただの悲しい夫婦を描いた四コマ漫画なのに、最後には妙な読後感を与える物語がある。超短編集を続けて読ん…

わかつきひかる 永遠の君へ 〜隣の妹〜

わかつきひかる既刊コンプキター(゚∀゚)ーッ!! というわけで『永遠の君へ 〜隣の妹〜』。病弱な私ののお婿さんになると約束してくれた幼馴染だけど、記憶にないままベッドを共にし……。美少女文庫では珍しく重いテーマだけど、必ずそう思わせない流れにしてい…

山口昇一 いもうとレッスン ― ここは乙女の園

歌舞伎の女形を学ぶために女子高に入学した僕は…… − 山口昇一『いもうとレッスン ― ここは乙女の園』。物語が妙に面白くて僕なんかは好きで、男であることを隠しながらクラスメイトの遥に恋して云々の描写や、川原を歩くシーンなんかは定番ながらグッとくる…

白銀純 グラビアアイドル・亜弥香

自慰をアイドルの義姉に見られた僕は…… − 白銀純『グラビアアイドル・亜弥香』。恥ずかしさから復讐して、アイドル仲間も巻き込んで、最後は輪姦になって……。どうやってハッピーエンドにするんだって、ワーオ! な驚きが待っています(本当にビックリした)…

松田佳人 Friends 【幼なじみ】

好きな男の子の視線を先輩から私に向けるには……、露出制服しかないの! あなたの性奴隷にして! といった恋のためなら何でもしちゃう松田佳人『Friends 【幼なじみ】』。恋はミステリと言いますが、ここまでくるとオカルトだよ。主人公や諸々の動機や感情が…

森博嗣 τになるまで待って

φで密室、θで連続殺人、そして山荘もののGシリーズ第三弾、森博嗣『τになるまで待って』。こういうトリックをリアル・フィクションっていうんですよ! そんな冗談はともかく、しかしこの調子であと7作ほど待っているのかどうなのか。これだけダラダラとした…

巨道空二 姫巫女美紅 淫魔の嬲り

二の姫は淫魔に子宮を支配され欲望に体を襲われる。それを辛うじて癒してやるのは姉、一の姫。しかし女の手だけでは止めることができず……巨道空二『姫巫女美紅 淫魔の嬲り』。自慰・微レズ・触手・輪姦・逆転輪姦など色々と入ってますが、一つ一つが短く、こ…

酒井童人 深夜病棟 ― 鳴りやまないナースコール

看護婦になったばかりの妹。姉はそれを祝おうと、母の形見のスーツを着た美人教師。そして二人が連れていかれたのは病院地下の淫獄……酒井童人『深夜病棟 ― 鳴りやまないナースコール』。諸注意としては、医療ネタですが浣腸はなしで肛虐のみ、医療器具の使用…

歌野晶午 女王様と私

ぼくの前に現れた「女王様」。「女王様」の行動が、発言が、思想が、オタクなぼくを打ちのめしていく歌野晶午『女王様と私』。書評・感想・紹介記事などの情報を完全にシャットダウンしていましたが、いや〜、読まなくてよかった(とくにAmazonは要注意)。…

ベン・ライス ポビーとディンガン

東京の方たちから勧められていたベン・ライスの作品。ぼくアシュモルが探す、妹にしか見えない二人の友達『ポビーとディンガン』。手元にあるのはメロー・イエロー。心の中にはジェームズ・ボンド。消えた二人を探すために漕ぎだした自転車。超間違った一夏…

P.D.ジェイムズ 女には向かない職業

急遽、事務所を引き継ぐことになったコーデリアの職業は探偵だが……P.D.ジェイムズ『女には向かない職業』。解説の瀬戸川猛資がネタバレ七割、物語の読みどころを完全に明かすなど、先に読むと大損します(本当にトホホです……)(解説としては文句ないんだけ…

J・さいろー SWEET SWEET SISTER

今日も姉の可奈子に犯される−J・さいろー『SWEET SWEET SISTER』。ノベルスサイズで二段組。405ページを使って書かれる一夏の近親相姦。内気で眼鏡っ子、しかもアニメオタクで同人誌を作る姉。声変わりもしていないスポーツ少年の弟。その間に生じた暴力、セ…

森見登美彦 太陽の塔

森見登美彦のデビュー作『太陽の塔』。モテない主人公、延々と続く妄想と思考、そして強大な自意識。書いていることは二作目の『四畳半神話体系』(感想)と「京大に通う馬鹿青春物語」という点ではあんまり変わらないかな。今の自分にとっては、主人公のド…