森見登美彦のデビュー作『太陽の塔』。モテない主人公、延々と続く妄想と思考、そして強大な自意識。書いていることは二作目の『四畳半神話体系』(感想)と「京大に通う馬鹿青春物語」という点ではあんまり変わらないかな。今の自分にとっては、主人公のドロップアウトっぷりが厳しいというか、身に沁みるというか、楽しい話しなんだけどその点が正直キツイです。最後の「私は色々なことを思い出す。」から続く文章は本当によくて、これだけで読んで得したと思ってしまった。笑って読めて、最後にこう思って閉じられるっていうのは幸せだなあ。ロンドンでの自分探しの結末は絶対笑いますよね。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/12/19
- メディア: 単行本
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