高野秀行 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

探検部の先輩、舩戸与一に誘われた取材旅行先はミャンマーだった。監視役の案内人たちから見えてきたのは、ミャンマーの軍事政権は武家社会? 幕府が送り込んだ柳生一族と南蛮人の死闘が始まる……。

近著が話題になっていたのでハイハイとんでも伝奇と思って読み始めると、舩戸与一との珍道中を書いたルポタージュだった……。街は牧歌的で、裏柳生と呼ばわる面々は人懐っこく、のどかな旅の様子はロードムービーのよう。心地よさの中にミャンマー情勢を挟み、その分析はビリリと辛い。