雨穴 変な家

Webライター雨穴が知人から渡された売り物件の図面。謎の隙間、窓のない子ども部屋、奇妙な増築。間取りから、この家に隠された恐ろしい可能性が見えてきた。まさかもう1人、住人がいたのではないだろうか?

奇妙な間取りから調査が始まり、最初の味わいは怪談のよう。しかし、まさかの本格ミステリーに変化していったのには驚いた。間取りのイラストが多く、会話文で進むのでサクサク読める。物語の余韻も上手く、よくできたショートフィルムを見たような満足感がある。読書のモチベーションが枯渇した中、とりあえず読めそうと思って手にしたのは大正解。正直「家と怪談」であれば三津田信三どこの家にも怖いものはいる」や小野不由美「営繕かるかや怪異譚」を薦めたい。