小野不由美 月の影 影の海 十二国記1

「お捜し申し上げました」。陽子の前に現れた、ケイキと名乗る男は深く跪いた。その先にたどり着いたのは異界の浜辺。故郷へ帰るため、母に会うために陽子は人に騙され、異形の獣に襲われ、旅をして生きる。十二国記シリーズ第1作。

再読するのも20年ぶり。人に認められ律する話しだと記憶していれば、騙され疑われる、騙し疑う物語だった。傷だらけになりながら「わたしは、わたしだ」と宣言する姿が眩しい。学生当時には感じなかった、目がくらむほどの憧れとうらやましさが溢れてきた。教えていただいた皆さま、ありがとう御座いました。