謝る必要はないと思いつつ……いやしかし、申し訳ないが清涼院流水『ぶらんでぃっしゅ?』が面白かった。生まれる前から聞えてきた<ぶらんでぃっしゅ>という謎の言葉。少年は言葉遊びにはまりながら<ぶらんでぃっしゅ>の真意を追うが、コンビニ連続射殺犯<ブラン・ディッッシャー>の存在を知り……。一人の人間が生まれて〜といった極端にシンプルな成長物語だからこその面白さに、何だかんだと魅力的だと思ってしまう登場人物。しかも最後に提示される<ぶらんでぃっしゅ>の意味にさあ、ちょっと涙が込み上げてくるわけですよ。赤ん坊が漏らすが如く小説で涙を流す男ですが、こればかりは薄っぺらなプライドを総動員して耐えんとしましたが……。
- 作者: 清涼院流水
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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