貴志祐介 ダークゾーン

目覚めた瞬間、殺戮の七番勝負が始まった。見覚えのある面々が駒となり、キングである塚田を守らなければならない。しかし、この世界は夢なのか? ここは本当にかつて恋人と訪れた軍艦島なのか? 謎を追う時間も与えない敵駒たちとキング。塚田たちはこの悪夢から抜け出せるのか?
この設定は無茶だろと思っても、スタートすればグイグイ読めるのは流石。しかし読み終えて、どうしてこうなった……と呟いた1作。ポルナレフでも可。貴志祐介の書く、どうしようもない世界観と、その絶望的な力に足掻きもがく主人公たち、そして最後に訪れる喪失感が好きだ。『新世界より』然り、力そのものの視点から書いた『悪の教典』も、素晴らしい作品だったと思っている。今回もその主張に合わせれば好きな作品になるんだろうけど、ちょっと無理かなあ……と。久しぶりに酷い本を読んだなと思ったのが正直なところだ。これは話し合いたい。

ダークゾーン

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