小野不由美 ゴーストハント 1 旧校舎怪談

高校から入学した麻衣は、クラスメイトから閉鎖された旧校舎の噂を聞く。人影が見えたり、取り壊しを進めると事故が起こったりするという。調査に訪れた渋谷サイキックリサーチの所長ナルの手伝いをすることになった麻衣。様々な怪奇現象に立ち向かうため、巫女や坊主もくるが……。

再読。十二国記の前にこのシリーズを読み終えてしまおうとスタート。少女小説特有の意識で物語が進む? 感情ダダ漏れ? な文体をなんと呼ぶか、教えてください。前も驚いたけど、この結末はありなのか? シリーズを追いながら考えたいと思います。

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)

井上栄 感染症 増補版 広がり方と防ぎ方

モノの移動、世界中で開催されるコト消費のためのヒトの移動。病原菌が世界に拡散するリスクは劇的に変化している。本書は伝染病対策の歴史と伝播経路を中心に、遮断法を提案する。新型インフルエンザはどのようにして広がり、また止められたのか。新型コロナウィルス感染症への考察を追加した増補版。

感染症の歴史を知りたく数冊読んでいますが、基本は「手洗い・うがい・マスク」なんだと教えてくれます。生モノや貝類を避けるなどもっと厳重な対策はあるけど、とりあえず基本を実行するのみ。SARSでは水やトイレが、今回ではコミュニケーションが伝播経路となった考察が面白い。新型コロナウィルス感染症については情報不十分なため、その点注意して手にしてください。読むなら優しい歴史書の岡田晴恵『人類vs感染症』がオススメ。

ディーリア・オーエンズ ザリガニの鳴くところ

ノース・カロライナ州の未開発な土地で暮らす「湿地の少女」に、ある青年殺害の疑いがかけられた……。1950年代後半、湿地に建つぼろ屋で育った少女カイアは、散り散りになった家族を待ちながら、6歳から1人で暮らしていた。鳥や貝、植物などの自然から生き残りの術を学び、読み書きを教えてくれる少年テイトと出会う。2人は生きる世界の違いから疎遠になるが、殺人事件を機会に近づいていく……。

まだまだ黒人差別根強い1950年代から、社会情勢が大きく変わろうとする70年までのアメリカが舞台。大自然で成長する少女がただただ美しい。湿地の緑香る風を受けているような、何時までも読んでいたい物語だった。事件が本格的に動く後半は緊張感高く、法廷シーンは迫力につられて一気読み。今年の話題作に触れられてよかった。

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ