斉藤洋 ルドルフとノラねこブッチー

年末を迎えようとしたある日、今まで文字を習おうとしなかったブッチーが興味を示し始めた。どこかに引っ越してしまったブッチーの飼い主を見かけたことに関係があるのだろうか。教養ある半ノラねこたちのさらなる旅が始まる……のか?

シリーズ開始から33年。延期もありましたが、無事発売されたシリーズ5巻。ルドルフを中心とした仲間たちの雰囲気は変わらず、教養あるねこを目指す物語がますます楽しい。半ノラねこたちの義理堅さに、心の涙がホロホロとこぼれてしまった。

深津さくら 怪談びたり

“ 怪談と結婚した女 ” と呼ばれる京都の怪談師による実話怪談集。

Twitterでオススメされていたので読んでみた。不穏な九州旅行になった「ビジネスホテル」、骨董市で買った「古い振袖」など収集話がいい。怪談会に起こったエピソードは好きではないけど、「変な電話」は一味違う冷ややかさ。ボリュームが多いわけではないが、やっぱり夏には怪談を読みたい! そんな気持ちを充実させてくれる1冊だった。

怪談びたり

怪談びたり

上出遼平 ハイパーハードボイルドグルメリポート

ヤバい世界のヤバい奴らは何を食べているんだ? 内戦で疲弊したリベリアの少年兵が食べた人肉。現代に甦った救世主のもとに集まる信者たちとの癒しのシチュー。ケニア内でも誰も寄り付かないゴミ山から発見される食材とは……。テレ東深夜に始まった番組は、書籍化によって完成する。

Twitterでオススメされていて読んでみた。グルメガイドとダークツーリズムが悪魔合体した結果、凄まじく臭う1冊が出来あがってしまった。スラムの食堂では飽き足らず、さらに一歩踏みこむディレクター魂。涙目の通訳ガイドかわいそうすぎる。スラムの世界も面白いけど、新興宗教の世界が素晴らしかった。敬虔なファミリーと食べる食事はとても美味しそうで、温もりに満ちた描写が忘れられない。

ハイパーハードボイルドグルメリポート

ハイパーハードボイルドグルメリポート