小野不由美 ゴーストハント5 鮮血の迷宮

増築をくり返して100部屋を超える迷宮と化した洋館では、ふらりと人が消えていく。原因解明のために集められた名の聞こえた霊能力者たち。しかし降霊会を機会に、次々と行方不明になっていった。血の匂いがこもる洋館に、ゴーストハント一行が挑むが……。

このシリーズ毎回、入口のエピソードから違う都市伝説や怪談、ホラーへ展開するので面白い。今回は和風ウィンチェスター・ミステリー・ハウスだ! と喜んでいたら、某残酷伝説とかけあわせる? 高校生たちに向かわせる? 酷すぎる……と思わずにはいられなかった。小野不由美の恐ろしいこと……。

ゴーストハント (5) 鮮血の迷宮 (幽BOOKS)

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藪野祐三 有権者って誰?

選挙権年齢が18歳に引き下げられたけど、選挙で人を選ぶにはどうしたらいいの? 学校で教えてくれない「有権者」の意味を切り口に、選挙の仕組みを丁寧に解説。社会参加とは何かを学ぶための1冊。

新型コロナ感染症の対策で「流石に政府おかしくない? 選挙では変わらないの?」と思ったときに発売されたので読んでみた。選挙の歴史が始まってから、日本が近代化していく中で1票の意味は大きく変わった。だけどその力は「神の一手」になりうることを教えてくれる。コンビニ化する社会ではあるが、地域社会を見直すことで1票が変われる可能性があることを力強く、温かく教えてくれる。

有権者って誰? (岩波ジュニア新書)

有権者って誰? (岩波ジュニア新書)

ユッシ・エーズラ・オールスン 特捜部Q アサドの祈り

キプロスの浜辺に打ち上げられた老女の死体。2117番目の犠牲者の写真を見たアサドは慟哭する。彼女はアサドの隠された過去と、家族を知る数少ない人物だった。その隣には復讐を誓った男が立っていた……。同じく特捜部Qに「レベル2117」を目標にした殺人予告がかかってきた。チームを分断して特捜部Qが挑む。

アサド! アサド! アサド! 君ってやつは! ファン待望のシリーズ第8弾。シリア系デンマーク人が隠し続けた過去によって始まる、特捜部Qと2人の凶悪犯によるコンゲーム! とにかく熱い! 完璧を求めるチームワーク、感情的なソロプレイ、それぞれの視点が読み応えありすぎて、必死になって読んでしまった。久しぶりに体験したドライブ感。読み終えたとき、心臓が痛かった。