山田正紀 渋谷一夜物語

オヤジ狩りにあった小説家が「面白い話を聞かせろ」と即席で語りはじめる山田正紀『渋谷一夜物語』。「世にも奇妙な物語」に似た日常系の短編集で、後半は消化不良というか幻想的というかSFっぽいのがいくつか(序盤ほど切れ味が高く思えるのは、もしかして疲労度が高まってきている様子なのかもな)。”妻の骨壷を間違えた男”"死んだ男から届く花"を書いた2編が実に「世にも〜」的で好み。不倫ネタが妙に多いことを多少疑問に思いつつ、軽いひねりに腹八分。

渋谷一夜物語 (集英社文庫)

渋谷一夜物語 (集英社文庫)