夢枕獏 上弦の月を喰べる獅子

「まだ夢枕獏読んでないの?」と言われることは多々あれど、強烈な獏トリップに落ちている人に出会ったことがないと不思議に思ったのは『上弦の月を喰べる獅子』を読んだからでもあります。螺旋に魅入られた写真家と、オウム貝の幻を見た岩手の詩人、2人は出会ったのか、出会わなかったのか。上弦の月が眩しい、打ち返す波の浜辺で目覚めた男は”上”へと目指す……。こうして仏の教えそのものに終止符を打つのかと、大変感動した作品でした(あんまり感動してなさそうだけど、読み終わる前後はため息の連発だった)。

上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

上弦の月を喰べる獅子〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

上弦の月を喰べる獅子〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)