北方謙三 水滸伝〈3〉 輪舞の章

表では盗賊と官軍が熾烈な戦いをくり返し、裏では致死軍と青蓮寺が静かに戦い死んでいく。北方謙三水滸伝〈3〉 輪舞の章』で、いよいよ青蓮寺が本格的に動きだす。その思想、行動力、そして組織をまとめる男たちの魅力は梁山泊の面々に劣らない。中国を舞台にしたといえば夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』(id:h-moto:20080202:p12)を思い出したが、帝が台詞の節々にしか登場しない。本当に、遠い存在に思えて、そしてこの戦いが人々、民のためにあるということが感じられる。

水滸伝 3 輪舞の章 (集英社文庫)

水滸伝 3 輪舞の章 (集英社文庫)