表では盗賊と官軍が熾烈な戦いをくり返し、裏では致死軍と青蓮寺が静かに戦い死んでいく。北方謙三『水滸伝〈3〉 輪舞の章』で、いよいよ青蓮寺が本格的に動きだす。その思想、行動力、そして組織をまとめる男たちの魅力は梁山泊の面々に劣らない。中国を舞台にしたといえば夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』(id:h-moto:20080202:p12)を思い出したが、帝が台詞の節々にしか登場しない。本当に、遠い存在に思えて、そしてこの戦いが人々、民のためにあるということが感じられる。
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/15
- メディア: 文庫
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