ジョージ・R・R・マーティン 王狼たちの戦旗 (5) ― 氷と炎の歌 〈2〉

<<氷と炎の歌>>第2部『王狼たちの戦旗』を再読。大狼サマーに守られているのは、城壁から落下し下半身が動かなくなった少年ブランドン・スターク。スターク家の印である大狼と、銘言は”冬がやってくる”。怒涛の物語の中、この2つが表す暗示に翻弄されるブランだが、多くの人々に将来を望まれる才を持つ。様々なキャラクタによって語られる<<氷と炎の歌>>だが、その中で、もっとも過酷といえるブラン。兄として、弟として、北を守るものとして、そして、不思議な力を開花させようとしている少年として。目茶苦茶面白いビルドゥングスロマンだ。
というわけで第2部もお終い。"五王戦争"勃発! というよりも、第2部からはスターク家ではなく、ラニスター家が中心になってくるので、違った面白さがにじみ出てくる。
今は第4部『乱鴉の饗宴』下巻に入っているわけでして。第4部は凄いよ。第3部『剣嵐の大地』で倍増したと思ったキャラクタがさらに倍増。あの土地も、あの宗派も、あの書籍も、あの逸話も出てくる! と消えていく小ネタのテンコ盛り。そして大筋は……ニヤニヤ。

王狼たちの戦旗〈5〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)

王狼たちの戦旗〈5〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)