山下卓 ノーサイドじゃ終わらない

ことの始まりは、コンビニ店長の先輩が起こした暴力団事務所襲撃事件。そして死。ラグビー部の同窓会を兼ねた葬式のはずが、一人のチームメイトが失踪したことを知る。56歳のシングルマザー、先輩の許婚、伝説となった女子高生吉原嬢……。あの夏から15年。沢木有介、三十三歳の試合が始まる。
ライトノベル作家山下卓、久しぶりの一般文芸。表紙は森本晃司で、夏らしさを感じさせつつ、物語の狂気を表現している。本筋の奇妙な事件と久しぶりの同窓会、そして輝かしい過去の組み合わせは、今まで数多くあったものだ。ここを狙い撃ちしたのは、エンターブレインから出ているものの、本当に山下卓なのかと怪しんだが……。腐臭と少女の描写は間違いなく山下卓だったと、自信をもって報告したい。しかしキザな男を書くより、女性視点からの描写が上手いと感じさせる。そのため個人的に『RUN RUN RUN』は超えられず。

ノーサイドじゃ終わらない

ノーサイドじゃ終わらない

RUN RUN RUN

RUN RUN RUN