ジャック・カーリイ デス・コレクターズ

モーテルで発見された死体は、花と蝋燭で装飾されていた。異常犯罪専従の刑事カーソンとハリーは、事件の背景に30年前に死んだ連続殺人鬼ヘクスキャンプの影を見る。殺人鬼が残したアートを手がかりに、各地で取引される犯罪者が使用したアイテム・コレクターたちと接触したことから、事件は異様な一面を露にする……。
バカミスの評判から前作『百番目の男』を手にした読者は、これを読まないほうがいいだろう。僕にとってジャック・カーリイは、マイケル・スレイドの代替といっても過言でなく、サスペンス、ロマンス、そして馬鹿な日常の三点セットが用意されているからだ。前作と比較して事件の複雑さや、後半の展開はグッと魅力を増し、そしてまた意外なヒロインがいい(アヴァの件は本当に残念であるけれど)。フリスビーの件だけで、僕は読んでよかったといえる。
百番目の男 (文春文庫) デス・コレクターズ (文春文庫)