飴村行 粘膜蜥蜴

町で唯一の大病院を営む父を持つ月ノ森雪麻呂から、堀川真樹夫と友人は誘いを受けた。地下にある死体安置所で見せつけられた、奇妙な権力構造。一方、堀川真樹夫の兄・美樹夫は兵士としてナムールへ配属され、アヘン帝国を築いた間宮の護衛を任されるが……。
処女作『粘膜人間』(感想)に続く、粘膜シリーズ第2弾。ボリューム、読ませっぷり、それを素早く消化させる柔らかさ、どれもが圧倒的に良くなってる。最後に残る奇妙さ、違和感が素晴らしく、それを形作った伏線をもう一度味わいたくて、思わず読み返してしまったほどだ。二度目だからこそ感じさせる、そこかしこに存在する奇天烈さ。本当、嫌な作家ですね。

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)