ドン・ウィンズロウ 夜明けのパトロール

カリフォルニア州最南端、サンディエゴのパシフィックビーチ。夜明けのサーフィンを楽しむ面々がいた。元刑事の探偵ブーンを筆頭に、海とサーフを愛する5人のドーン・パトロール。20年ぶりの大波が予想される中、新米弁護士補が依頼を告げた。失踪したストリッパーは簡単に見つかるかと思われたが、奇妙なうねりの中に……。
『ストリート・キッズ』と『犬の力』が合わさった、ドン・ウィンズロウの新たなステージがここに。本業より趣味を愛する主人公は、ニール・ケアリーを彷彿とさせ、彼をとり巻く面子もある種のプロフェッショナル。下らない会話で笑い、正義心で怒る。これをウィンズロウが書いたとなれば、面白くないわけないでしょう。さらにマフィアの流儀が物語に大きく関わり、炎天下の夏に読むべき、乾いた小説に仕上がっている。シリーズ続編が決まっているので嬉しいかぎり。ありがとう、僕はあなたのこんな小説を、心から待ちわびていたんだ。