小野不由美 黒祠の島

作家・葛城志保が消えた。調査依頼を受けた式部剛は、彼女が最後に向かった夜叉島にたどり着く。住人の多くが彼女を見ていないと言うが、島内の神社では女性の死体が見つかっていた……。独自の信仰が色濃く残る「黒祠の島」で起こる連続殺人事件。信仰を模した事件の真相とは。

十二国記を再読せねばと思いながら、佳多山大地のブックガイドから読んでしまった。印象としては「私が考えた最強の民族学ミステリー」で、オリジナルの強キャラたちがとにかく濃い。切れ味鋭いミステリーの爽快感より、始終ひっついてきた違和感による疲労が残る……。

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廣嶋玲子 ふしぎ駄菓子屋銭天堂 2

路地の先に見えたお店。どうしてこんなところに駄菓子屋が……。今までに見たことのない色とりどりのお菓子。大柄な女性店主が優しく紹介する言葉はとても心地よくて……。

アイテムによって成功も失敗もするドラえもん形式で、老若男女によって紡がれる駄菓子オムニバス。童話的に解釈するつもりはないけど、主人公たちの喜びや後悔が心地よい。救われないまま終わる物語もあり、正直驚かされてしまった。夫婦喧嘩の最中に読んだ「おもてなしティー」が、まさか解決への糸口になってくれるとは……。無事に年末年始を過ごせたので感謝しかない。

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和田秀樹 みんなに好かれなくていい

現代教育で生まれた、みんな仲良しの理想論「友だちが多いと幸せ」は本当なのか。10人いればあなたを嫌い、あなたに興味のない人がいるかもしれない。誰かに「嫌われない」ではなく、誰かを「好きになる」日々へ。

やりがい・親・友だち関係を諭す中高生向けの本は、やっぱり需要があるのだろうか。ビジネス書と一緒で、読んで驚愕するのではなく共感していきたい。薄味な内容は、品がよいとも物足りないとも。

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