金成隆一 ルポ トランプ王国 もう一つのアメリカを行く

誰があのような男を支持するのかニューヨークではわからない。しかしアパラチア山脈を越えると、民衆の熱意は一変する。そこには弱ったアメリカを何とかしてくれる男だと、期待する人々がいた。支持層の分析ではなく、リアルに声を挙げていた人たちのインタビュー集。

アメリカ都市部でトランプ支持者を探したが見つからないので、実際に支持されている現場に行けば、そこは「もう一つのアメリカ」だったという話し。豊かな中間層は、どうして現代アメリカで夢無き貧しい中間層になってしまったのかを民衆に聞く。その敵視は移民であり、中国であり、献金で肥えた政治家たちだった。

千宗屋 茶 利休と今をつなぐ

利休の末裔、武者小路千家の次期家元・千宗屋が解説する茶の系譜と、現代の「茶」とは?

再読。戦国時代に千利休によって一つの完成を迎えた茶道。現代にたどり着くまでの系譜がすっごいわかりやすい! どのようにお茶と触れ合うかを交え、千宗屋が現代に位置づける茶道の説得力がすごい。

茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)

茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)

服部まゆみ レオナルドのユダ

まさに万能の天才。絵画、建築、医学、音楽を愛し、神に愛された心やさしき男レオナルド・ダ・ヴィンチ。貴族の跡取りでありながら弟子になり、画家の道を歩んだフランチェスコとその従者。レオナルドの絵に衝撃を受けながら才能を認めない人文学者パーオロ。師が残した1枚の肖像画を巡り、関わった人々の思いが交錯する。

京都の大垣書店限定で復刻されたミステリーの1冊。Amazonは取り扱いがないけど、大垣書店に問い合わせたらいいらしいよ(Kindle版があるじゃねえか)。ダ・ヴィンチを愛しすぎた男と、どうしても認めない男のやりとりが超邪魔くさい上に、お前はミステリーなのか? まあ最後は滑り込みミステリーだけどさあ……。とまあ不満ばかりを並べたけど、この天才レオナルド・ダ・ヴィンチの震えるような神々しい魅力はなんだ?