小瀬木麻美 調香師レオナール・ヴェイユの香彩ノート

若くして香水の世界的ヒット作を生み出した、一流調合師レオナール・ヴェイユ。彼は香りから色を感じる共感覚者で、今は依頼者だけのプライベート調合を行なっている。月見里瑞希は先の短い母のために、彼女の思い出を香水にしてほしいと依頼する……。
香りにまつわる小説が好きな友人に教えてもらい読んでみた。なんとピュアすぎるキャラに物語に世界に、えっ? 実はイヤミスだったりして? という心を打ち砕くほど、俺にとっては綺麗すぎた。

詠坂雄二 ドゥルシネーアの休日

東京タワー付近で見つかった死体は、以前に起こった連続殺人事件の模倣なのか? ミッション系全寮制女子校で、罪を償うために1人で祈り続ける少女。伝説となった探偵の汚れを拭ってきた無愛想な助手。どうして全ての事柄は繋がってしまうのか。
好きでも嫌いでもないけど、淡々と読み進めている詠坂雄二。事件パート・百合パート・アクションパートで構成されて、何故かクライマックスを迎えるという……。結末は僕好みじゃないけど、全寮制百合パートが素晴らしかった。

ドゥルシネーアの休日 (光文社文庫)

ドゥルシネーアの休日 (光文社文庫)

倉狩聡 いぬの日

わたしの名前はヒメ。家族はわたしのことを犬という。でも犬ってなに? 家族から虐げられたペットのヒメは、流星群の夜に光る石を食べて、犬以上の知性を持ってしまった。人の言葉を話せるようになったヒメは、家族を支配しようとするが……。
わーい! 久しぶりに犬SF読もう! と思ったら、全然ハートフルじゃなくて驚いてしまった(角川ホラー文庫だと忘れていた自分にもビックリ)。前作「かにみそ」のこじんまりとした作風のほうがエグ可愛かったな。

いぬの日 (角川ホラー文庫)

いぬの日 (角川ホラー文庫)