大鐘良一 小原健右 ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

2008年2月、10年ぶりに日本で宇宙飛行士の募集が、JAXAから発表された。史上最多の募集をかいくぐり残ったのは10名。それぞれの専門職の中でも優秀なベテランが残ったが、最終審査では意外な一面が表れる。選抜試験にNHKの取材班が密着した渾身のドキュメンタリー。
あまりの熱さに途中で止められず、一気に読んでしまった。どんだけ面白い冒険小説だよ。憧れへの思いや、リーダー論を展開しながら、不慣れな環境の中で出てくるそれぞれのキャラクター。千載一遇のチャンスを巡ってくり広げる人間模様がとにかくドラマチックで熱い。一言で伝えるなら燃え上がるように熱い。いいドキュメンタリーを探しているなら是非読んでほしい。若田光一に迫った続編もあるので、それを読みます。

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

森博嗣 封印再度 WHO INSIDE

仏像画家・香山林水が密室のアトリエで不可解な死を遂げた。実は50年前にも、林水の父である風采は家宝「天地の瓢」「無我の匣」を前に、同じように亡くなっていたのだ。パズルをきっかけに事件に関わった西之園萌絵犀川創平だったが……。
久しぶりに再読。森博嗣ならではの密室で、2人の物語も1つの山場を迎えて、S&Mシリーズ中もっとも好きな作品だったのに……。幼稚くさいというか、飽きたというか、特別な1冊だと思っていたのに、自分の感じかたの変化にビックリですよ。私、成長しましたね(衰えたのか)。

封印再度 WHO INSIDE S&M

封印再度 WHO INSIDE S&M

広瀬友紀 ちいさい言語学者の冒険 子どもに学ぶことばの秘密

「これ食べたら死む?」どうして子どもは言い間違えるのか。言葉を身につけていく上での珍プレーをまとめながら、言語習得のメカニズムを見つめる。
これから言葉を身につけていく子どもがいる身なので読んでみた。子どもはトライアンドエラーを繰り返しながら言語を習得していく、小さな言語学者という見方が微笑ましい。文法や音につられて間違っていく過程は、僕にもあったなあ。子どもがどんな間違いをしていくのか、本当に楽しみだ。

ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密 (岩波科学ライブラリー)

ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密 (岩波科学ライブラリー)