伊坂幸太郎 マリアビートル

東北新幹線に乗り合わせた、酒に溺れた元殺し屋の木村。大物の息子を連れて帰るコンビ、檸檬と蜜柑。悪魔が中学生に化けた王子。運のない殺し屋の天道虫。それぞれの目的が複雑に絡み合い、どう落とすか決められない殺し屋たち。上野から盛岡までのノンストップ狂想曲。
グラスホッパー』に続く、殺し屋シリーズの2作目。それぞれのキャラのテンションが高く、視点がコロコロ入れ代わり、絡み合っていく物語が最高。コメディーになってしまいそうな世界観なのに、キャラはクールに見えて、展開が熱いからたまらんなあ。前作はほぼ覚えていないけど、この1作でも十分楽しめる。

湊かなえ 白ゆき姫殺人事件

化粧会社の美人社員が山中で殺害された。被害者と近い関係者から情報を得た週刊誌のフリー記者・赤星は、同僚の冴えない女性に注目する。事件後、その女性は不自然に失踪。数々の目撃証言がある彼女が犯人なのか?
映画の予告が面白そうだったのと、隣の妻が「ネタバレして喋っていい?」と言うので読んだ。インタビューの構成はそこそこ面白い。映像のほうは色々交えて流せるけど、Twitter的なSNSマンマローが最悪。これだけでは読めないよ。結末も唐突でしかなく、ショッキングだけど驚きではない。とか書いておいて、また湊かなえ読んじゃうんだろうなあ。あらすじがキャッチャーなんだよね。

大鐘良一 小原健右 ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

2008年2月、10年ぶりに日本で宇宙飛行士の募集が、JAXAから発表された。史上最多の募集をかいくぐり残ったのは10名。それぞれの専門職の中でも優秀なベテランが残ったが、最終審査では意外な一面が表れる。選抜試験にNHKの取材班が密着した渾身のドキュメンタリー。
あまりの熱さに途中で止められず、一気に読んでしまった。どんだけ面白い冒険小説だよ。憧れへの思いや、リーダー論を展開しながら、不慣れな環境の中で出てくるそれぞれのキャラクター。千載一遇のチャンスを巡ってくり広げる人間模様がとにかくドラマチックで熱い。一言で伝えるなら燃え上がるように熱い。いいドキュメンタリーを探しているなら是非読んでほしい。若田光一に迫った続編もあるので、それを読みます。

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

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